需給動向 海外

◆豪 州◆

2008/09年度は、生産量、輸出量とも減少見込み


◇絵でみる需給動向◇


生産量は、牛群の再構築が始まり、わずかに減少見込み

 豪州農業資源経済局(ABARE)は9月、農産物需給見通しを発表した。これによると、2007/08年度(7月〜6月)の牛と畜頭数は、前年度比3.1%減の880万頭となった。内訳について見ると、フィードロット飼養頭数の減少や生体牛輸出の増加により、去勢牛は減少した。一方、雌牛は、比較的天候に恵まれた北部のクイーンズランド州で減少したものの、南部では干ばつの影響により増加した。2008/09年度のと畜頭数については、牛群の再構築が始まり、雌牛のと畜頭数が減少することなどから、前年度比1.1%減の870万頭と見込まれる。これにより、2008/09年度の牛肉生産量は、同0.7%減の214万トンとわずかな減少が見込まれる。


輸出量は、米国産との競合などで、前年度比2.2%減の91万トン

 2008/09年度の牛肉輸出量(子牛肉を含む。船積重量ベース。)は、米国産牛肉との競合により日本や韓国への輸出量が減少する見込みから、前年度比2.2%減の91万トンと予測されている。しかしながら、ロシアやインドネシアといった新興市場の需要は増加すると見込まれる。

 主要国別の輸出見込みは以下の通りである。

(1)日本向け:米国産牛肉との競合で、前年度比4.1%減の35万トン
 2007/08年度は、豪州産のグレインフェッド牛肉の出荷減少、豪ドル高、米国産牛肉との競合の強まりなどで、前年度比9.4%減の36万5千トンとなった。2008/09年度も、米国産牛肉との競合が継続することから、同4.1%減の35万トンと見込まれる。

(2)米国向け:米国内の経産牛のと畜頭数の減少から、増加見込み
 2007/08年度は、豪ドル高および過去2年間の少雨や穀物価格の高騰による雌牛のと畜頭数の増加に伴う輸入牛肉需要の減退により、前年度比21%減の24万トンとなった。2008/09年度は、同2.1%増とわずかに前年度を上回るもものの、低水準が続くと見込まれる。

 米国では、穀物価格の下落傾向により経産牛のと畜頭数が減少するとの予測から、加工用輸入牛肉の増加が見込まれるものの、豪州において牛群再構築が始まり、雌牛頭数のと畜頭数が減少することから、豪州産の対米輸出はそれほど伸びないとみられているためである。

(3)韓国向け:前年度比11%減の13万トンの見込み
 韓国向けは、前年度比11%減の13万トンと見込まれる。これは、同国における米国産牛肉の輸入規制が緩和されることで、豪州産牛肉の輸出量が減少すると見込まれるためである。

牛肉生産量と輸出量の推移


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