需給動向 国内

◆牛 肉◆

8月の牛肉枝肉卸売価格(東京市場)は、前年同月を下回って推移


◇絵でみる需給動向◇


 8月の牛肉枝肉卸売価格(東京市場)は、前年同月を大きく下回っている。去勢和牛のA−5規格は、キログラム当たり2,334円(前年同月比5.8%安)であり、A−2規格では同1,232円(同15.6%安)と7カ月連続で前年同月を下回っている。そのほか、交雑種、乳用種はともに下落傾向が続いており、省令価格においても同1,038円(同8.9%安)となっている。(図1)

 今年は景気後退の影響からか牛肉需要が伸びず単価が相対的に安価な豚肉、鶏肉にシフトしていることに加え、牛肉の生産量が増加していることがその背景にある。

このような中、東京市場の乳用種めす牛C−1規格の枝肉卸売価格は、5カ月連続で前年同月を上回って推移しており、8月は同434円(同3.3%高)となった。これは、乳用種めす牛のと畜頭数が減少していることに加え、国産のひき材の原料が不足しているのが要因として考えられる。

 また、(社)日本家畜人工授精師協会「乳用牛への黒毛和種の交配状況」によると、平成20年4月〜6月期の乳用牛への黒毛和種授精割合は全国平均で27.4%(前年同期比6.0%減)、都府県平均で39.2%(同6.9%減)となった。(図2)

 特に北海道の黒毛和種授精割合は41,102頭の15.0%(同4.2%減)と減少しており、生乳増産体制でホルスタインの授精頭数が増加していることなどが考えられるほか、牛枝肉価格の不振なども交配割合減少の要因の一つとも考えられる。

 なお、ブロック別にみると、東北の黒毛和種授精割合は34.1%(前年同期比7.9%減)、関東は43.6%(同4.3%減)、東海は32.5%(同12.9%減)、北陸は49.9%(2.9%減)、近畿は47.2%(同0.1%減)、中四国は42.5%(同2.1%減)、九州は43.9%(同10.8%減)とそれぞれ減少した。

図1 牛枝肉規格別卸売価格(東京市場)

図2 黒毛和種の交配状況の推移


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