需給動向 海外

◆ニュージーランド◆

2008/09年度牛肉輸出量は減少するものの、輸出額は増加の見込み


◇絵でみる需給動向◇


2008年6月30日現在の肉牛飼養頭数 は前年比3.2%減の425万3千頭

 ミート&ウール ニュージーランドによる2008/09年度(2008年10月〜2009年9月)の牛肉生産予測によると、 ニュージーランド(NZ)における 2008年6月30日現在の肉牛飼養頭数は前年比3.2%減の425万3千頭(見込値)となった。地域別では、北島が同2.9%減の305万8千頭、南島が同4.0%減の119万6千頭となっている。飼養頭数が減少した要因としては、北島のワイカト−ベイ・オブ・プレンティ地区およびタラナキ−マナワツ地区の主要な肉牛生産地域において干ばつとなったこと、また、南島を中心として、羊・肉牛経営から酪農などに経営転換が進んだことが挙げられている。

 羊・肉牛経営から酪農への経営転換については、2008年春から330戸に上るとみられ、前年度の70戸から大幅に増加した。これは、1996/97年度の360戸に次ぐ過去2番目の戸数となる。この結果、2008年6月30日現在の乳牛飼養頭数は、同5.6%増の555万頭となっている。

 

2008/09年度の輸出向け肉牛と畜頭数は前年度比5.3%減の209万頭の見込み

 2008/09年度の輸出向け肉牛と畜頭数は、前年度比5.3%減の209万頭を見込んでいる。要因としては、最近2年間、乾燥気候により、(1)東岸地域の一部において牛群の再構築が進むこと、(2)肉用経産牛頭数が減少したこと、(3)非去勢牛、去勢牛、未経産牛のとう汰が進み、その結果、2008/09年度のと畜向け頭数が減少すること−が挙げられている。なお、乳用経産牛については、2006/07年度に保留を開始した多くの未経産牛が2008/09年度に搾乳期を迎えることから、高齢となった廃用牛のとう汰が進むとみている。

 また、2008/09年度の肉牛1頭当たりの平均枝肉重量は、同2.0%増の265キログラムと見込まれている。これは飼料生産環境が改善すると同時に、生産農家が出荷頭数減少による収益の低下をカバーするため、出荷体重を高めるためとしている。

輸出向け肉牛と畜頭数

 

2008/09年度の牛肉輸出量は前年度比3.5%減、輸出額は前年度を上回る見込み

 2008/09年度の牛肉輸出量は、前年度比3.5%減の35万1,400トン(船積重量ベース)を見込んでいる。また、輸出額(FOB、牛肉および牛副産物)は、同6.4%増の23億7千万NZドル(1,375憶円:1NZドル=58円)と前年度を上回ると予測している。

 仕向け先別に見ると、2007/08年度牛肉輸出量の54%を占める米国向けについては、景気後退の影響で米国での牛肉需要が高級部位から加工用に移行することから、加工向け輸出を主体としているNZにとっては追い風になるとみている。牛肉輸出量の11%を占める韓国向けについては、2008年6月に韓国・米国間での新たな牛肉輸入条件締結以降、NZ、豪州からの輸出量は減少している。今後輸出量は、韓国における米国産牛肉の浸透状況、輸出余力および為替水準が影響を及ぼすとしている。また、牛肉輸出量の9%を占める日本向けについては、景気後退により依然として高級部位を中心に需要は低いとみている。また、日本市場における米国産牛肉との競合が一層強まると予測している。

牛肉輸出量

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