需給動向 海外

◆中国の畜産物需給◆

2011年の牛肉価格は、16%強の高騰


1.市場価格は、9カ月連続で上昇

 米国農務省(USDA)によると、2011年の肉用牛と畜頭数は前年比0.8%減の4085万頭、牛肉生産量は前年比0.9%減の555万トンであった。

 例年、牛肉需要期はクリスマスのある12月および旧暦正月の準備となる1月であるが、2011年の消費量は5月から11月までの半年間、前年同月を上回った。2011年5月から10月まで、国内の豚肉価格が高騰したことによる代替需要の高まりが、牛肉消費量の増加を後押しした。

 2011年5月以降の需給はひっ迫し、さらに、10月の国慶節から年末にかけての需要の高まりから、都市部における牛肉市場価格は、2011年4月から連続9カ月で上昇した。12月には1キログラム当たり40.89元(約550円 3月末日TTS相場)と前年同月比16.7%高の高水準となった。

図14 牛肉の月別生産量と消費量
資料:中国農業科学院
図15 牛肉市場価格の推移
資料:国家発展開発委員会

2.2011年の冷凍牛肉輸入量は1.9万トン(前年比15.5%減)、牛肉調整品輸出量は1.7万トン(同21.2%増)

 2011年の冷凍牛肉輸入量は、前年比15.5%減の1万9701トンとなった。これは、上海万博などによる特需がみられた2010年には届かないものの、2009年に比べて6,100トンの増加であった。需給がひっ迫した国内の状況を反映し、2012年の輸入量は、前年よりも増加する見込みである。2011年主要な輸入先国は、豪州7,443トン(同38.0%増)、ウルグアイ7,364トン(同3.5%減)、ニュージーランド2,803トン(同14.9%増)、ブラジル2,091トン(同73.4%減)であった。

図16 冷凍牛肉の月別輸入量
資料:GTI社”World Trade Atlas”
 注:HSコード0202
表5 冷凍牛肉の国別輸入量
資料:GTI社 "World Trade Atlas"
 注:HSコード0202

 2011年の牛肉調整品の輸出量は、前年比21.2%増の1万7180トンと増加した。2011年の主要な輸出先国は、日本7,864トン(同25.9%増)、香港7,191トン(同19.0%増)、マレーシア567トン(同11.1%減)、アンゴラ305トン(同33.8%増)であった。

 2011年輸入量は、2月以外の全ての月において前年を上回り、2012年2月まで連続12カ月の続伸である。

図17 牛肉調製品の月別輸入量
資料:GTI社”World Trade Atlas”
 注:HSコード160250
表6 牛肉調製品の国別輸出量
資料:GTI社 "World Trade Atlas"
 注:HSコード160250

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