需給動向 国内

◆鶏 卵◆

24年度の鶏卵生産量、22年比でわずかに増加の見通し


◇絵でみる需給動向◇


 農林水産省は3月23日、「全国鶏卵需給連絡会議」において、平成24年度(4〜3月)の鶏卵生産量は、平成22年(1〜12月)の251万5千トンより4万1千トン増加(前年度比1.6%増)するとの見通しを公表した。

 これは23年12月に実施した、全国の鶏卵生産者を対象とした意向調査に基づくもので(回答は765件。うち5万羽以上が562件)、「現状維持」が67.3%、「増産」が5.8%、「減産」が3.3%、「未定」が23.6%であった。「現状維持」が7割弱と最も高い割合であるものの、「増産」の意向を示す生産者は「20〜50万羽」と「50万羽以上」の飼養規模層で多く、大規模生産者で増産意欲が高いことがうかがえる(表2)。これら増産意向の羽数から減産意向の羽数を差し引くと221万羽の増産が見込まれ、鶏卵で4万1千トン(※)増加するという見通しとなった。

 また、最近の鶏卵卸売価格は、全農「畜産販売部情報」(東京・M玉)によると、3月は13日にキログラム当たり185円から10円値を下げ175円となった以降保合いの状況が続いた。この結果、3月の平均卸売価格は178円と前年同月に発生した東日本大震災による飼料や燃料不足の影響で価格が高騰した前年同月と比べ18%下回った。なお、平成23年度の平均卸売価格は、9月以降、前年同月を下回って推移したことから188円(前年度比2.6%安)とわずかに値を下げた。

 一方、2月の鶏卵輸入量は8万6千トン(殻付き換算)と前年同月比7.2%減とこれまでの増加傾向から落ち着いてきたようにも見える。しかしながら、需要面では強まる要因が乏しいため、上記の見通しのとおり生産量が増加基調で推移することとなれば、今後、大きく卸売価格が上昇する見込みは少ないと思われる。

※卵重61g×365日×産卵率0.84×221万羽=41,333トン

表2 飼養羽数規模別の今後の意向件数(割合)
出典:農林水産省 全国鶏卵需給連絡会議資料
 注:未回答は未定に含む。

 


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