需給動向 国内

◆飼 料◆

24年4〜6月期の配合飼料供給価格、約900円値上げ


◇絵でみる需給動向◇


 全国農業協同組合連合会(全農)は3月16日、平成24年4〜6月期の配合飼料供給を発表した。前期(1〜3月)と比較して、全国全畜種総平均でトン当たり約900円の値上げとなった。

 主要な商系飼料メーカー、専門農協も配合飼料供給価格を改定し、同約1,000円〜1,300円値上げすることを発表している。

 全農などが発表した今回の価格改定の背景となる飼料の国際価格等情勢の概要は次のとおり。

(1)飼料穀物:米国のトウモロコシは、エタノールや輸出を中心とした需要が強く、依然として需給のひっ迫感が強い状況。さらに豊作が期待されていた南米のトウモロコシが、乾燥天候が続いたことから生産量の見通しが下方修正された。

 今後は、米国の期末在庫率が低水準であることに加え、輸出需要が増加傾向にあることから、シカゴ定期は堅調に推移することが見込まれる。

(2)大豆粕:南米の高温乾燥気候により大豆の生産量の減少が懸念されており、大豆粕は前年度より大幅な減産。このため、米国産への需要回帰が進む一方で、米国の新穀作付面積が伸び悩むとの見方から、国内産大豆粕価格は値上がりが見込まれる。

(3)海上運賃:需要が停滞していることなどから船舶需給は依然緩和の状況。今後は、南米産新穀大豆の中国向け輸送が最盛期を迎えること、原油相場が堅調であることを反映して堅調に推移すると見込まれる。

(4)外国為替:米国の景気回復には時間を要すると予想される一方で、日本の景気回復には貿易収支が赤字に転じるなどの不透明感があることから方向感のない展開が予想される。

 こうした中、米国農務省(USDA)は3月30日、2012年3月1日時点の穀物在庫統計を公表した。トウモロコシ在庫量は、前年同期比7.9%減の60億9百万ブッシェルで、市場関係者の予想を下回った。

 一方、USDAは同日、2012年の穀物等の作付意向調査結果を公表した。トウモロコシの作付面積は、好調な相場を反映して前年比4.3%増の9586万エーカーと1937年以降75年ぶりの高水準となった。また、トウモロコシの作付と競合する大豆については、前年比1.4%減の7390万エーカーとなった。

図7 海上運賃の推移(ガルフ〜日本)
資料:社団法人配合飼料供給安定機構
図8 トウモロコシ、大豆ミールのシカゴ定期相場推移
資料:日本経済新聞

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