需給動向 国内

◆牛乳・乳製品◆

牛乳生産量、2カ月連続で前年同月を上回る


◇絵でみる需給動向◇


 農林水産省「牛乳乳製品統計」によると、平成24年2月の牛乳生産量(加工乳・成分調整牛乳を除く)は、前年同月比4.6%増の24万7千キロリットルで、閏年の補正(28日分に換算)をしても同1.0%増となり、2カ月連続して前年同月を上回った。

 また、平成23年4月〜24年2月の累計でも、前年同期比1.2%増とわずかに増加した。これについては、東日本大震災の影響による電力不足により、平成23年4〜6月に乳業メーカーが製造アイテムを牛乳に絞り込んだことが要因として挙げられる。

 なお、近年の牛乳生産量は、平成10年度に400万キロリットルを割り込んだ後、平成14年度まで増減を繰り返したものの、平成15年度以降、減少傾向で推移している。特に、平成21年度は、前年度比10.0%減の312万キロリットルとかなりの程度減少した。この要因の一つとしては、茶系飲料などとの競合激化により飲用牛乳等(牛乳、加工乳・成分調整牛乳)全体の需要が減少したうえ、景気の長期低迷による消費者の低価格志向や、低脂肪を求める消費者の健康志向の高まりなどから、牛乳の需要が成分調整牛乳へとシフトしたことが挙げられる。また平成22年度は、より低価格である加工乳の生産量が伸び、その一方で牛乳生産量は2.2%減と低落を続けた。結果として、飲用牛乳等の中で大きなウエイトを占める牛乳生産量は、平成15年度の402万キロリットルから平成22年度には305万キロリットルと25%も減少した。

 一方、飲用牛乳等生産量のうち牛乳が占める割合は、平成22年夏に底を打ち、24年2月には35カ月ぶりに85%台まで回復した。成分調整牛乳の生産量が22カ月連続で前年同月比マイナスとなり、加工乳の生産量も原料コスト高を反映して大幅に減少している一方で、牛乳生産量が2カ月連続で増加していることからも、消費者が牛乳に回帰しつつあると考えられる。

図4 牛乳生産量の実数と前年同月比の推移
資料:農林水産省「牛乳乳製品統計」
図5 飲用牛乳等生産量のうち牛乳が占める割合(加工乳・成分調整牛乳を除いた割合)
資料:農林水産省「牛乳乳製品統計」を元に農畜産業振興機構作成
図6 牛乳等の生産量の推移
資料:農林水産省 生産局畜産部牛乳乳製品課「最近の牛乳乳製品をめぐる情勢について」

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