需給動向 国内

◆豚 肉◆

2月の豚枝肉卸売価格、低調に推移


◇絵でみる需給動向◇


 農林水産省「食肉流通統計」によると、平成24年2月の豚枝肉の卸売価格(東京・大阪市場の省令規格加重平均)は、前年同月比14.3%安のキログラム当たり430円となった。と畜頭数の減少から、例年2月の卸売価格は1月に比べ上昇するが、今年は同427円であった1月と同水準の卸売価格となった。これは、2月の生産量、冷蔵品輸入量がともに前年を上回っているためと思われる。さらに、豚肉と競合関係にある鶏肉の卸売価格が、大幅に低下したため、鶏肉需要が高まっていることも影響しているとみられる。

 同統計によると、2月の豚肉生産量は、7万5千トン(同5.5%増)となった。閏年などの関係から、前年同月に比べと畜場稼働日数が2日多かったことが影響しており、1日当たりと畜頭数は、同4.9%減となった。

 一方、冷蔵品が増加している輸入量を見ると、2月の豚肉輸入量は、6万3千トン(同1.2%増)となった(財務省「貿易統計」)。このうち、主にテーブルミートに仕向けられ、国産豚肉と競合する冷蔵品の輸入量は、2万2千トン(同20.1%増)と大幅に増加した。23年度の冷蔵品輸入量は、毎月おおむね2万トンを超える高水準となっている中、2万トンを下回った前月の反動とみられる。また、主に加工原料に仕向けられる冷凍品の輸入量は、4万2千トン(同6.6%減)とかなりの程度減少した。23年10月以降、冷凍品輸入量は、4万5千トンを超える高水準となっていた反動とみられ、半年ぶりに前年同月を下回った。

 こうした需給動向から、当機構調査による2月の豚肉の推定期末在庫は、1月から5千トン積み増しの18万4千トン(同4.0%増)となった。1月に1万3千トン積み増されたことから、余剰在庫を抱えたくないため、年度末に向けて取り崩しが進むと思われたものの、在庫はさらに積み増しが進んだ。なお、内訳は国産品2万1千トン(同17.2%減)、輸入品16万3千トン(同7.6%増)となった。

 3月から5月にかけては、歓送迎会、花見、GWといったイベント需要から、卸売価格の回復と在庫の取り崩しが進むと見込まれるものの、競合する冷蔵品の輸入量や、鶏肉の価格動向が与える影響も注視する必要がある。

図2 豚肉の推定期末在庫および卸売価格の推移
 

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