需給動向 海外

◆米 国◆

生体牛および牛肉価格の低下傾向が続く


フィードロット導入頭数、牛保留の長期化により減少

米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)が2月19日に公表した「Cattle on Feed」によると、2016年1月のフィードロット導入頭数は、前年同月比0.6%減の178万頭となった。主要生産州別に見ると、カンザス州が同1.2%増(42万頭)となったものの、ネブラスカ州で同3.0%減(49万頭)、テキサス州で同4.3%減(34万頭)と前年同月を下回っている。

また、2月1日時点のフィードロット飼養頭数は、1071万頭とほぼ前年並みであった。

草地の状態が良いことで、肉牛生産者が保留期間を延ばす傾向にあることがフィードロット導入頭数の減少につながっているものとみられる。

と畜頭数は前年同月比で減少

USDA/NASSが2月25日に公表した「Livestock Slaughter」によると、2016年1月の牛と畜頭数は前年同月比2.5%減の236万頭、1頭当たり枝肉重量は肥育期間の長期化により、同2.0%増の378キログラムとなった(図1)。また、同月の牛肉生産量は同0.5%減の88万6000トンとなった(図2)。






と畜頭数が減少した要因として、牛肉価格が安値で推移し食肉業者の利幅が圧迫されていることや、2月の牛肉の在庫量がこの10年間で2番目の数量となる23万5000トンに達していることが影響しているとみられている(図3)。




生体牛および牛肉価格の下落が続く

米国農務省経済調査局(USDA/ERS)によると、2016年2月の肥育もと牛価格(速報値)は、前年同月比27.6%安の100ポンド当たり176米ドル(1キログラム当たり446円:1米ドル=115円)となった(図4)。



また、同月の肥育牛価格(速報値)は、同16.4%安の同134米ドル(同340円)、牛肉のカットアウトバリュー(注)(速報値)は、同9.7%安の同218米ドル(同553円)といずれも下落した(図5)。





牛肉需給は緩和傾向にあり、肥育牛や肥育もと牛価格は安値で推移している。

(注)各部分肉の卸売価格を1頭分の枝肉に再構成した卸売指標価格。

(調査情報部 平石 康久)


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