需給動向 国内

◆鶏 卵◆

平成28年2月の鶏卵卸売価格、前月比27円高


平成28年2月の鶏卵卸売価格(東京、M玉基準値)は、1月中旬以降の上昇基調が継続し、前年同月並みの1キログラム当たり209円となった(図10)。




2月の同価格は、一部の産地において強制換羽による生産抑制が終了し、生産量は回復傾向となったが、恵方巻きなどのイベント需要、気温の低下に伴う鍋物需要、量販店における特売需要などが継続した結果、3日、9日、25日と段階的に上昇していった。

今後については、供給面では、寒さが和らぎ、卵重の回復が見込まれることにより、引き続き生産量は増加する見込みである。一方、需要面では、大手ファーストフードチェーンによるプロモーションなどが実施されるものの、気温の上昇とともに鍋物需要などは減少すると考えられる。

1月の家計消費量、増加に転ずる

鶏卵需要の約5割を占めると言われる家計消費について見ると、消費量については相場高の影響もあり平成27年11月以降、前年同月を下回って推移していたが、1月は、1人当たり853グラム(M玉換算で約14個相当。前年同月比8.9%増)と2カ月ぶりに前年同月を上回った。

一方、消費金額(税込)は、1人当たり248円(同6.4%増)と、11カ月連続で前年同月を上回り好調に推移している(図11)。




この要因としては、食料品価格が全般的に上昇する中、比較的安価な鶏卵への代替需要が高まったことなどが影響していると考えられる。

(畜産需給部 小林 智也)


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