◇絵でみる需給動向◇
タイ農業協同組合省が公表した統計によると、 97年10月のブロイラーの生 産量は、 前年同月比15. 7%増の76. 2百万羽となった。 8月まで続いた 20%を超える大きな伸びは、 9月から鈍化の傾向を示しているものの、 依然と して高い伸びとなっている。 また、 10月のひなのふ化羽数は、 前年同月比19. 8%増の79. 8百万 羽と、 80百万羽に迫る羽数となり、 前月と比較しても約4百万羽増加した。 し かし、 業界は、 飼料価格の上昇による影響が、 今後、 生産量の減少となって現れ ることを憂慮している。
バンコック市場における97年12月の鶏 (生体) 1kg当たりの卸売価格 (速 報値)は、 30.3バーツとなり、 前年同月比12%高と大幅な上昇となった。ま た、 本年1月の第2週までの同価格は、 31バーツ (前年同期比115%) とな っており、 上昇傾向が続いている。 これは、 飼料等の値上げにより、 生産コスト が上昇しているためで、 1kg当たりの鶏肉を生産するのに要する生産費は、 97 年1月から10月までの平均で24. 55バーツ、 前年同期比7. 1%高、 1 0月は27. 37バーツ、 前年同月比20. 1%高と大幅な上昇となっている。
タイブロイラー加工輸出業者協会が取りまとめた97年の鶏肉輸出動向 (速報) によると、 冷凍鶏肉の輸出数量は、 151, 120トン、 前年比10. 5%増、 鶏肉調製品の輸出数量は、 41, 114トン、 前年比44. 9%増となり、 9 3年以降96年まで不振が続いたタイの鶏肉輸出が、 97年には一転して、 大幅 な増加となった。
97年のブロイラーの消費は、 後半からの経済の低迷にもかかわらず、 ファス トフードなどの外食部門における消費が拡大したとみられる。 消費量を生産量か ら輸出量を差引いたものとして推計すると、 下記の表のとおりであり、 97年は、 前年比24. 9%増の764, 826トン (可食肉量ベース) と見込まれる。 97年におけるタイの鶏肉需給(推計) 注)1 生産量は、可食肉量とした。 2 輸出数量は、タイブロイラー輸出加工協会調べで、97年は速報値であ る。 3 97年の生産量は、11月、12月の生産量を、対前年同月15%増として推 計した。
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