海外駐在員レポート 

米国のオ−ガニック農産物規則とオーガニック畜産物の展開

デンバー事務所 本郷秀毅、 藤野哲也



1 はじめに


 米国において、 有機 (オーガニック) 農業が俄然世の中の注目を集めることと
なったのは、 今から36年前の1962年、 ケネディ大統領がダラスで暗殺され
た年の前年のことである。 この年、 海洋学者であり作家でもあるレーチェル・カ
ーソンが 「沈黙の春」 を上梓し、 化学薬品や農薬の過剰使用に警鐘を鳴らし、 大
きな反響を呼ぶこととなった。 この本を読んで感銘を受けたケネディ大統領は、 
ホワイトハウスで環境保全会議を開き、 この流れは70年のアース・ディ (地球
の日) の開催へと発展していった。 

 このようにして国民の食品の安全性に対する関心が高まる中、 生産者団体等に
よるオーガニック農産物に関する自主基準が設定され、 70年代後半には、 州段
階での公的基準を制定させようという運動へと発展した。 79年には、 このよう
な運動が最も盛んなカリフォルニア州等3州において、 オーガニック食品に関す
る法律が制定されることとなった。 80年代に入ると、 その動きはさらに加速化
され、 90年6月には23の州においてこのような法律を有することとなった。 

 このようにして、 草の根運動から発展してきた運動は、  「90年オーガニック
食品生産法 (The Organic Food Production Act) 」 へと結実する。 

 今月は、 米国におけるオーガニック食品の現状を概説するとともに、 上記法案
に基づき、 米農務省 (USDA) が昨年12月15日に公表したオーガニック農産物
に関する連邦規則案について報告する。 


2 オーガニック食品の現状


 (1) 概要

1) 小売市場規模は35億ドル

 オーガニック農産物の市場規模は、 農産物全体の販売額からみればとるに足ら
ないものの、 多くの食品が飽和状態にある中で、 近年、 例外的に急速に拡大して
いる。 具体的に数字を挙げて説明すれば、 90年には10億ドル (約1千3百億
円) の小売市場規模であったものが、 毎年20%以上の伸びを示した結果、 96
年には35億ドル (約4千4百億円) と、 わずか6年間で3.5倍に拡大してい
る。 図1からもわかるように、 市場規模の拡大は、 オーガニック食品生産法が成
立した90年以降、 加速度的に拡大していることがわかる。 

◇図1:オーガニック農産物の市場規模の推移(小売ベース)◇

表1 オーガニック農産物の市場規模(小売ベース)

 資料:Natural Foods「Merchandiser Market Overview "96"」

2) オーガニック認証機関は44機関

 米国内には、 現在、 44のオーガニック認証機関ある。 その内訳をみると、 民
間の認証機関が33機関、州政府の認証機関が11機関 (コロラド、 アイダホ、ケ
ンタッキー、 ルイジアナ、 メリーランド、 ニューハンプシャー、 ニューメキシコ、 
オクラホマ、 ロードアイランド、 テキサスおよびワシントンの11州) となって
おり、 民間の機関が主流を占める構造となっている。 これらの中には、 20年以
上の歴史を有する機関もある。USDAによれば、これら44の認証機関が、 約3,9
00戸の農家および490の取扱業者 (加工業者等) を認定しているとしている。 

 なお、 これらのほとんどは、 今回のオーガニック農産物規則案が施行された段
階で、 USDAに対して、 認証機関として認可されるよう申請を行うものとみられて
いる。 

3) オーガニック認定耕地は全耕地の0. 1%

 オーガニックとして認定を受けた耕地は、全耕地面積約9億5千万エーカー(約
3億8千万ha) のうち113万エーカー (約46万ha) であり、 全体に占める割
合は0.1%に過ぎない。 また、 オーガニック認定を受けた耕地のうち59%は
農地、 40%が草地および放牧地となっている。 いずれにせよ、 それぞれの地目
別合計に占める割合は0. 1〜0. 2%程度に過ぎない。 なお、 農地のうち家
畜飼料の生産に供されている農地面積の割合は、 26%の17万エーカー (約7
万ha) となっている。 

表2 全耕地に占めるオーガニック耕地の割合

 資料:USDA「Organic Food and Fiber : An Analysis of 1994 
              Certified Production in the United States」

4) オーガニックと表示できなかった食肉

 畜産物に適用されるオーガニックという用語が何を意味するのかというコンセ
ンサスが欠けていたため、 USDAは、 食肉および家きん肉に対して、 オーガニック
という表示を用いることを禁止してきた。 また、 家畜そのものに対しては、 多く
の民間認証機関が認定するための規則等を有しておらず、 政府認証機関にあって
も、 11の州のうちワシントン州とニューメキシコ州のみがオーガニック家畜の
認定を行っている (94年調査) 。 94年現在の畜種別の認定頭数をみると、 肉
用牛が3, 300頭、 乳用牛が6, 100頭、 豚が2,100頭などとなって
おり、 それぞれ全飼養頭数の0. 1%にも満たない。 

表3 オーガニック認定を受けた家畜数

 資料:USDA 「National Organic Program」

 (2) 畜産物に係る具体的事例

 以上、 米国におけるオーガニック食品の生産の現状を駆け足でみてきたが、 以
下では、 主要畜産物ごとに、 オーガニックまたはナチュラル食品として生産販売
されている主な事例を紹介する。 

1) 牛肉

・L社

 ケンタッキー州にある同社は、 ローラズ・リーン・ビーフの生産販売を開始し
て13年になる。 本製品のコンセプトは、 消費者の健康志向に合った製品の開発
である。 このため、 赤身肉の割合の高いリムーザン種とシャロレー種が主に用い
られている。 生産に当たっては、 抗生物質と成長ホルモンは一切投与しない。 9
6年の売上高は、 3千万ドル (約38億円) 以上であり、 国内需要が十分にある
ため、 輸出は行っていない。 

・C社

 コロラド州にある同社は、 コールマン・ナチュラル・ビーフの生産販売を開始
して13年になる。 本製品の特徴は、 ナチュラルの定義を自ら開発したことであ
る。 ローラズ・リーン・ビーフと同様、 抗生物質と成長ホルモンは一切投与しな
いことに加え、 自ら抗生物質、 農薬、 ホルモン等の残留検査を実施している。 9
6年の売上高は5千万ドル (約63億円) 以上であり、 日本にも輸出されている。 

 以上のほか、 同様な基準により生産されている例として、M社のナチュラライト・
ゴールド・メダル、 B社のブラッドリーズ・ナチュラル、 O社のオレゴン・カウン
ティ・ビーフなどがある。 いずれも、 抗生物質と成長ホルモンは使用されていな
い。 

2) 豚肉

 他の畜産物と違い、 豚肉でオーガニック的な生産を行っている例は見出しにく
い。 ナチュラルという名称を冠した製品はあるもの、 牛肉ほど徹底的に抗生物質
の排除を行うことが困難だからであろう。 このような中、 C社は、牛肉と同様のプ
ログラムを用いてナチュラルポークの生産を開始している。 

3) 鶏肉

・P社

 カリフォルニア州にある同社は、 ロッキー・ザ・レインジの生産販売を開始し
て11年になる。 特徴は、 鶏が放し飼いにされ、 抗生物質と成長ホルモンは一切
投与されないことである。 売上高は2千万ドル (約25億円) であり、 日本にも
輸出している。 

 このほか、 W社のフリー・レインジ・ナチュラルも、放し飼いと抗生物質を投与
していないことを特徴としている。 同社も、 日本に輸出している。 

4) 牛乳乳製品

・C協同組合

 ウィスコンシン州にある同社は、 オーガニック牛乳乳製品の生産を開始して1
0年になる。 同社の生産する製品は、 認証機関によりオーガニック製品として認
定を受けており、 オーガニック・バレーという商標を冠して販売されている。 製
品数は23種類に及ぶ。 

・H社

 コロラド州にある同社は、 オーガニック牛乳乳製品の生産を開始して7年にな
る。 生乳を生産する乳牛は、 抗生物質や成長ホルモンを投与しないというオーガ
ニック管理体系の下で飼養され、 牛乳、 ヨーグルト、 生クリーム、 バター、 チー
ズなどの製品は、 認証機関によりオーガニック製品の認定を受けている。 同社は、 
オーガニック牛乳乳製品を生産する会社としては全米最大の会社であり、 そのシ
ェアは約65%とされている。 生産された製品は、 一般のスーパーマーケットで
も販売されている。 

 以上のほか、 S社、 O社、 A社、 J社などが、 オーガニック牛乳乳製品を生産して
いる。 


3 オーガニック農産物規則のメリット


 これまで、 拡大するオーガニック農産物の市場規模およびオーガニック・ナチ
ュラル畜産物の概要をみてきたが、 それでは、 オーガニック農産物規則が制定さ
れることにより、 一体どのようなメリットがあるのであろうか。 以下、 そのメリ
ットを、 生産者と消費者に分けて簡単に整理してみたい。 

 (1) 生産者

 生産者にとってのメリットは、 第1に、 基準が統一化されることにより、 生産
物に対する認証の信用度が高まることであろう。 いいかえれば、 不正な表示によ
り販売されていた農産物とオーガニック農産物との間に、 明確に一線を画するこ
とができるということである。 

 第2に、 オーガニック農産物の信用が高まることにより、 輸出機会が増大する
ことである。 日本的な感覚でいえば、 販売額のわずか1%程度 (95年CNN調査) 
を占めるに過ぎないオーガニック農産物を、 輸出しようなど考えも及ばないこと
であろうが、 米国の生産者の経営感覚は違う。 オーガニック農産物の生産も、 環
境保全に根ざす信条・運動の延長としてではなく、 あくまでビジネスとしてとら
えている生産者が多いからである。 輸出市場については、 オーガニック農産物市
場規模の大きいEUが主なターゲットとされており、 ついで日本がそのターゲット
と目されている。 ちなみに、 94年のオーガニック製品の輸出額は2億3百万ド
ル (約250億円) 、 生産額に占める割合は9%となっており、 93年のおよそ
2倍に急拡大しているという事実は注目に値する。 

 第3に、 これまで、 いわゆるオーガニック的な家畜・畜産物の生産管理を行っ
ていたとしても、 生産された食肉および家きん肉をオーガニックと表示して販売
することができなかったが、 オーガニック規則の制定により、 オーガニックとし
て表示・販売が可能になることである。 このことにより、 オーガニック食肉等の
市場の開拓が可能となるばかりでなく、 これらを原料とした加工食品の開発も可
能となる。 

 第4に、 以上の結果として起こり得る市場規模の拡大により、 生産コストの低
減が図れることであろう。 

 (2) 消費者

 消費者にとってのメリットは、 第1に、 生産者にとってのメリットと同様、 こ
れまでバラバラだった基準が統一化されることにより、 オーガニックとはどの様
なものなのかが明確になるため、 表示の信用度が格段に高まることであろう。 店
頭で、 わざわざ商品を裏返して説明書きを読み、 その表示を確かめる必要がなく
なるということである。 

 第2に、 消費者の選択の幅が広がるということである。 これまで、 オーガニッ
ク食品といえば、 ほとんど自然食品店でしかみることができなかったが、 USDAの
認証を受けることにより、 一般のスーパーマーケット等でも導入しようとする動
きが生じている。 このことは、 オーガニック食品が、 これまで自然食品店にまで
足を伸ばすことのなかった一般の消費者の目にも触れることになることを意味す
る。 このことにより、 オーガニック食品の消費の拡大も期待される。 

 第3に、 消費のすそ野が広がることにより大量生産・供給が可能となるため、 
オーガニック食品の生産・流通コストの低減が可能となることである。 また、 自
然食品店と一般のスーパーマーケット等との競合により、 小売価格の低下がもた
らされる可能性も高い。 オーガニック食品は、 一般の食品に比べ相対的に価格が
高いことが需要拡大のネックのひとつとなっていたが、 小売価格が低減すれば、 
さらに需要が拡大することが期待される。 


4 90年オーガニック食品生産法の制定とその後の経緯


 (1) いまだ施行されない法律

  「90年オーガニック食品生産法」 は、 89年に議員立法案として試行的に導
入され、 同法案の導入に反対する巨大アグリビジネスや企業的農業経営からのロ
ビーイングによる紆余曲折を経て、 最終的には90年農業法の一部として成立し
た。 

 同法は、 USDAに対し、 オーガニック農産物の全国基準・規則を策定するととも
に、 オーガニックとして販売される農産物が、 これらの基準等に合致しているこ
とを消費者に保証するよう求めている。 また、 同法は、 オーガニックの規則等に
基づき生産されたと表示される農産物はすべて、 USDAから認可された、 州または
民間の認証機関により認定された農家等において生産されたものであることを求
めている。 いいかえれば、 認定農家等で生産された農産物以外は、 オーガニック
と表示して販売することはできないということである。 

 しかしながら、 同法によりオーガニックに関する基準の大枠は定められたもの
の、 その細則が定められていなかったことから、 同法が施行されるには至ってい
なかった。 

 (2) オーガニック基準委員会による細則の検討

 このため、 USDAは92年、 14人の委員からなる全国オーガニック基準委員会 
(NOSB) を設け、 基準・規則作りの検討を開始した。 

 94年、 NOSBは、 農務長官に対して、 認証機関の認可、 輸入品の取り扱い基準、 
作物・家畜および加工食品に関する基準の委員会案の提出を行うとともに、 オー
ガニック農産物の生産・加工に当たり使用の認められる化学合成物質および使用
の認められない非化学合成物質の国家リスト作りを開始した。 

 95年および96年には、 170以上に及ぶ同リストの策定に加え、 作物・家
畜および基準の取り扱いに関する補足的な提案を行った。 


5 全国オーガニック農産物規則案


 上記NOSBの原案に基づき、 USDAは最終案の策定を急いだ。 USDAでは、 NOSBの原
案および一般からのコメントに加え、 州および民間のオーガニック認定機関の検
討を行った。 このような結果、 USDAによる最終規則案は、 現在、 生産者等によっ
て使用されている基準とほとんど同様なものとなっている。 

 (1) 規則案の概要

1) オーガニック農産物の生産および取扱基準

 農産物をオーガニック農産物として販売しようとする生産者および取扱業者 
(加工・製造業者、 再包装業者を含む。 )は、 全国オーガニック農産物規則に定め
る生産および取扱基準 (化学合成物質等のリストを含む。 ) に従い、 USDAの認可
した機関による認定を受けなければならない。年間の農産物販売額が5千ドル(約
65万円) 以下の農家およびオーガニック製品を加工または再包装しない最終小
売業者は、 本規則の対象から除外される。 

 本規則の基準は、 生産された製品の量とは関係なく、 その産品が生産された方
法に対して適用される。 提案された規則は、 オーガニック農産物の生産および取
扱のあらゆる点が、  「オーガニック食品生産法」 の基本的なガイドラインおよび
オ−ガニック農業および取扱システムの原理に合致していることを求めている。 

ア. 作物に係る基準

・土地については、 オーガニック農産物の収穫前の3年間は、 禁止されている物
 質 (化学的に合成された農薬、 肥料等) が投入されていないこと。 

・効果的な病害虫管理および土壌肥沃度の確保のため、 輪作またはその他の可能
 な措置が講じられていること。 

・土壌の有機物質の維持・改善または栄養分供給のため、 耕耘や農産物の栽培に
 際して、 土壌肥沃対策および農産物栄養管理対策が講じられていること。 

・種苗については、 オーガニック製品を用いることが望ましいが、 特定の条件の
 下では、 非オーガニック製品を用いることができる。 

・農産物の害虫、 雑草および疾病は、 基本的に予防的措置によって管理されるこ
 とが望ましいが、 物理的、 機械的および生物学的措置による管理も講じ得る。 
 他に有効な措置がない場合には、 オーガニック農産物の生産に許容しうるもの
 として検討・認可された植物性農薬およびその他の物質を使用することができ
 る。 

イ. 家畜に係る基準 〔詳細は (2) 参照〕 

 下記の基準は、 オーガニック産物である食肉、 牛乳、 卵、 蜂蜜その他の畜産物
の生産に用いられる家畜に対して適用される。 

・オーガニックと認定されていない経営体の家畜を、 オーガニックと認定されて
 いる経営体に導入することは認められるが、 当該家畜をオーガニックの管理体
 系の下に出入りさせてはならない。 

・家畜は、 原則としてオーガニックとして生産された飼料を給与されなければな
 らない。 適用可能であれば、 これらの飼料の中には放牧地の草も含まれ、 また、 
 ビタミンおよびミネラルの補助飼料を給与することもできる。必要であれば、飼
 料のごく一部については、 非オーガニックのものを給与することができる。 

・オーガニック管理体系の下で育成される家畜には、 成長を促進するためにホル
 モンや抗生物質を投与してはならない。 

・ワクチンを接種する場合を除き、 病気でない家畜に動物用医薬品を投与しては
 ならない。 

・オーガニック体系の下で管理されるすべての家畜には、 健康を促進するような
 飼養条件を整備しなければならない。 

・家畜のふん尿は、 水質汚染を防止し、 栄養分を土地に還元するように管理され
 なければならない。 

ウ. 製品取り扱いに係る基準

・複数の原料を含む製品を 「オーガニック」 と表示するためには、 水分および塩
 分を除き、 重量ベースで95%以上がオーガニック原料でなければならない。 

・オーガニック原料を重量ベースで50%〜95%含む製品は、  「オーガニック
 原料使用」 と表示することができる。 

・オーガニック原料が重量ベースで50%未満の製品は、 原材料表示の欄にのみ 
 「オーガニック」 という用語を用いることができ、その他のオーガニック取り扱
 い基準を満たす必要はない。 

・使用されるイースト菌、 ベーキングパウダー、 天然着色料、 スターチ類、 酵素
 などの農産物以外の原料および非オーガニック農産物原料は、 使用の認可され
 た合成物質および非合成物質に係る国家リストに記載されたものでなければな
 らない。 

・オーガニック製品には、 たとえ既に95%以上のオーガニック原料が含まれて
 いたとしても、 商業的に利用可能である限り、 できる限りオーガニックの原料
 を使用しなければならない。 

・食品の加工については、 ベーキング、 乾燥、 凍結およびはっ酵などの機械的お
 よび生物学的方法が望ましい。 

・オーガニック製品の取り扱いに当たっては、 例えばプリッツェルの色・仕上げ・
 堅さを出すために利用される水酸化カリウムなど、 特定の必要な添加物の使用
 は認められるものの、 揮発性合成溶媒、 合成防カビ剤または殺菌剤による処理
 は禁止される。 

2) 表示販売情報に関する基準

  「オーガニック食品生産法」 は、 消費者を保護し、  「オーガニック」 と表示さ
れている商品が本当にオーガニックであることを保証することを目的としている。 
直接的にしろ間接的にしろ、 オーガニックによる手法を用いて生産・処理された
製品であることを意味する表示を行う農産物は、 提案された全国オーガニック・
プログラム基準に沿って生産・処理され、 かつ、 USDAの認可した認証機関により、 
全国オーガニック・プログラム認証基準に沿って認証されなければならない。 

ア.  「オーガニック」 と表示される製品

・ 「オーガニック」 と表示される製品は、 水分および塩分を除き、 オーガニック
 原料を95%以上含まなければならない。 これらの製品は、  「オーガニック・
 パンケーキミックス」 、  「オーガニック・オレンジジュース」 などのように、 
 主たる表示欄の製品名の前に 「オーガニック」 という言葉を使うことができる。 

・製品の主たる表示欄には、 USDAの認証マークを、 また、 その製品がその州内で
 生産され認証された場合はその州の認証マークを、 それぞれ表示することがで
 きる。 

イ. オーガニック原料使用と表示される製品

・オーガニック原料を50%〜95%含む製品は、 主たる表示欄に 「オーガニッ
 ク原料使用」 という表示のみが可能である。 

・USDAおよび州の認証マークをパッケージに表示することはできないが、 製造業
 者の認証機関名については、 情報欄その他の表示欄に表示することができる。 

ウ. その他の表示規制

・主たる表示欄および原材料名表示欄にオーガニック原料の割合を表示すること
 は禁止されるが、 情報欄に記載することは認められる。 

・事実に基づく情報や、 その製品を生産した特定の農場、 家畜管理あるいは取扱
 方法などのマーケティング情報の表示に関する追加的規制はない。 

エ. 表示の悪用に対する罰則

  「オーガニック食品生産法」 は、 全国オーガニック・プログラム基準に沿った
生産・取扱がなされず、 かつ、 全国オーガニック・プログラム認証基準に沿った
認証がなされていない製品を、 故意に 「オーガニック製品」 として販売または表
示した者に対して、 1万ドル (約125万円) 以下の民事罰を科すことができる。 

 全国オーガニック・プログラムが実施に移された後、 オーガニック農家および
取扱業者には、 最終規則に沿った表示に修正し、 現存するラベルを使い切るまで
の十分な期間が与えられる。 

3) 認可・認証に関する基準

 USDAは、  「認証機関」 となる州および民間の組織または個人を認可する。 また、 
認証機関は、 生産および取扱方法が全国基準に合致していることを認証しなけれ
ばならない。 

ア. 認定される必要のある者

・オーガニック農産物を生産する農家

・採集した野生植物等をオーガニックと表示して販売する野生植物等の収穫経営
 体

・オーガニック農産物または原料を処理または加工する経営体またはその経営体
 の一部

イ. 認定される必要のない者

・包装された製品に表示を行わないレストランおよび食品サービス業、 製品の加
 工または再包装を行わない取扱業者、 および50%未満のオーガニック原料し
 か取り扱わない加工業者

・年間の農産物販売額の合計が5千ドル (約63万円) 未満の農家および取扱業
 者、 ならびにオーガニック製品を加工しない最終小売業者

ウ. 農家および取扱業者の認定と認定費用

 申請者は、 認証機関に対して、 下記の事項を含む特定の情報を提供しなければ
ならない。 

・経営のタイプ
・過去3年間に農地に投入された (肥料等の) 物質の記録
・生産、 栽培または加工された有機農産物
・生産に用いられる作業および (投入) 物質に関する申込者のオーガニック計画。 
 オーガニック計画には、 当該経営体が、 関連する基準・規則にどのようにして
 適合し、 また適合し続けるのかについて記載しなければならない。 

 また、 申請者は、 認定後5年間、 下記に関する正確な記録を保存しなければな
らない。 

・農地管理作業
・作物の栽培方法
・家畜の飼養管理方法
・オーガニック製品の取扱方法

 なお、 USDAは、 認証機関の運営費用をまかなうため、 年間、 農家1人当たり5
0ドル (約6千円) 、 取扱業者1者当たり500ドル (約6万3千円) の料金を
徴収するよう提案している。 

エ. 検査および認証方法

 認証機関は、 申請者の認定資格の審査を行わなければならない。 このため、 検
査官は、 申込者の経営体について、 経営者等立ち会いの下、 現場検査を行わなけ
ればならない。 

 認証機関は、 申請者から提出された情報および検査官の報告について審査を行
い、 基準・規則に合致していることが確認されれば、 申請を認可し、 証明書を発
行しなければならない。 証明書は、 自主的にまたは強制的に解約させられるまで
は効力を有する。 

 各認定経営体は、 毎年検査が行われることとなっており、 その検査の前に、 認
証機関に対して、 更新された情報を提供しなければならない。 生産者は、 農地へ
の禁止された農薬使用の申請など、 規則への適合に影響を与えるいかなる変更に
ついても、 即時に認証機関に対して通知しなければならない。 

オ. 適合審査および強制措置

 USDAおよび認証機関は、 規則を適切に執行するため、 事前の通告なしに、 いつ
でも立入検査を行うことができる。 また、 残留物質が見出された場合、 その発生
源を突き止めるための調査を実施しなければならない。  

〔注:オーガニックに係る農薬残留基準は、 ほとんどの場合、 米保健社会福祉省
食品医薬品局 (FDA) の残留農薬許容基準の5%である。 〕 

4) 認証機関の認可、 輸入品および州オーガニック・プログラム
ア. 認証機関の認可

・認証機関は、 認証業務を行うのに十分なオーガニック農産物の生産・取扱の経
 験と訓練を有する従業員 (検査官を含む。 ) を雇用しなければならない。 

・認証機関は、 適切な記録の保持、 利用料金の徴収・計上、 決定事項のUSDAとの
 連絡に関する管理能力を実証しなければならない。 

・認証機関は、 認証者が過去12カ月の間に商業的利害関係を有した経営体に対
 しては認定を行わないことにより、 公益と私利の衝突を防止しなければならな
 い。 

 なお、 認可された機関は、 その地位を維持するため、 毎年、 検査官の業務実績
審査および自らの業務評価を行わなければならない。 

イ. 認可手続き

 USDAは、 申請機関の現地評価を行い、 その評価レポートについては、 オーガニ
ック農業・取扱・認証に係る専門知識を有する検討委員会により審査が行われる。 
認証機関は、 5年ごとに認可の更新を行うともに、 毎年、 認証業務の報告を行わ
なければならない。 USDAは、 認証機関の運営能力に関する評価を行う必要がある
と認めるときは、 いつでも現地評価を行うことができる。 

ウ. 輸入製品

 USDAは、 輸入オーガニック製品に係る認証規則が、 米国の全国オーガニック規
則と同等の基準に沿った生産・取扱がなされているかどうかを審査する必要があ
る。 一度、 規則の同等性が認められさえすれば、 当該規則の下で生産されたオー
ガニック製品は、 米国への輸入が認められ、 オーガニックと表示することが可能
となる。 

エ. 州オーガニック規則

 州は、 オーガニック製品に関する生産、 取扱および認証のための独自のオーガ
ニック規則を制定することができる。 州の規則では、 全国の規則よりも厳しい基
準を設けることができる。 

 また、 州独自のオーガニック規則を制定するためには、 州はUSDAに対して規則
を提出し、 認可を受けなければならない。 認可を得るためには、 州の規則は 「オ
ーガニック食品生産法」 の目的に合致していなければならず、 他の州で生産され
たオーガニック製品を差別してはならない。 

 (2) オーガニック家畜生産に係る細則

1) 家畜の起源

ア. オーガニックとして生産・販売・表示される、オーガニック認定農場の家畜
 またはその産品は、 オーガニックの管理の下で産まれ、 またはオーガニック管
 理下の両親から生産された子畜でなければならない。 

 (特別規定) 

・種畜:オーガニック家畜として育成される子畜を生産する、 オーガニック種畜
 として指定されるためには、 妊娠している雌畜の場合、 妊娠期間の最後の3分
 の1の期間以前にオーガニック認定農場に導入されていなければならない。  
 (注:雄畜の場合、オーガニック認定農場への導入と同時に指定されると解され
 る。 ) 

・肉畜:オーガニック食肉を生産するオーガニック肉畜として指定されるために
 は、 必要であれば、 生後15日以内にオーガニック認定農場に導入されていな
 ければならない。 

・乳牛:オーガニック牛乳または乳製品を生産するオーガニック乳牛として指定
 されるためには、 当該製品を生産・販売する12カ月以上前にオーガニック認
 定農場に導入されていなければならない。 

・家きん:オーガニック家きん肉および卵を生産するオーガニック家きんとして
 指定されるためには、 生後2日以内にオーガニック認定農場に導入されていな
 ければならない。 

・非食用畜産物の生産に用いられる家畜:オーガニック毛皮、 羽毛等を生産する
 オーガニック家畜として指定されるためには、 オーガニック認定農場に導入さ
 れてから90日以上オーガニックの管理下で育成されなければならない。 

イ. 下記の事項は禁止される。 

・当該規則を回避するために、 オーガニックと非オーガニックの管理方法の下に
 ある施設または家畜を交換すること

・繁殖目的のホルモン使用

2) 家畜の飼料

ア. 飼料給与

・家畜に給与される飼料は、 基本的にオーガニックのものでなければならないが、 
 20%以内であれば非オーガニックの飼料を給与することができる。 

・ただし、 商業的に利用可能なオーガニック飼料がないという緊急事態およびオ
 ーガニックの管理に初めて移された乳牛の場合で、 生産された牛乳乳製品がオ
 ーガニックとして生産・販売される90日前までは、 20%の制限を超えて非
 オーガニック飼料を給与することができる。 

・家畜の健康を維持するために必要と認められる場合は、 家畜用として合成物質
 の認可リストに記載されたビタミンやミネラルの補助飼料を給与することがで
 きる。 

・家畜用として合成物質の認可リストに記載された合成アミノ酸添加物は、 栄養
 的な要求水準を満たすために必要と認められる場合に限り、 給与することがで
 きる。 

イ. 下記の物質および給与方法は禁止される。 

・ホルモンまたは成長促進剤の投与 (埋め込み、 注射、 経口投与) 

・成長促進または家畜生産のための、 抗生物質またはその他の動物用医薬品、 合
 成アミノ酸添加物または家畜の要求水準を超えて給与される合成微量物質

・粗飼料用合成樹脂ペレット、 尿素を含む調合飼料、 またはふん尿の給与

3) 家畜の健康管理

ア. 家畜の健康は、 下記の予防的措置によって維持される。 

・様々な飼料の給与
・疾病および寄生虫が拡がるのを最小限にするための適切な畜舎・放牧環境およ
 び衛生的管理作業の確立
・獣医学に基づく生物製剤、 ビタミンおよびミネラルの投与
・地域環境に適し、 かつ、 疾病や寄生虫の伝染に抵抗性の強い家畜品種等の選択

イ. 上記アの予防的措置が家畜の健康維持に効果を示さない場合は、下記のエで
 禁止されている場合を除き、 次の条件の下で、 動物用医薬品を投与することが
 できる。 

・局所用に投与される動物用医薬品および駆虫薬以外の動物用医薬品は、 食肉用
 哺乳類の場合は生後21日以内に限り、 哺乳類以外の場合は認可施設に到着後
 7日目までに限り、 それぞれ投与することができる。 

ウ. 動物用医薬品を投与されたオーガニック家畜に由来する製品を オーガニッ
 クとして販売・表示することができるのは、 家畜が完全に治癒し、 動物用医薬
 品のラベルに記載された休止期間、 または獣医師から指示された休止期間を超
 えて生産された場合に限る。 

エ. 下記の健康管理法は禁止される。 

・病気でない家畜への動物用医薬品の投与 (ワクチン接種を除く) 
・合成内用駆虫薬の恒常的利用
・抗生物質の治療量以下の使用

4) 家畜の生活環境およびふん尿管理

ア. 家畜の健康を増進するため、家畜の種類に適した下記の生活条件が与えられ
 なけばならない。 

・暴風雨からの保護
・移動空間
・清潔で乾燥した生活条件
・外部への自由な出入り
・飼料および清潔な水の自由な摂取

イ. 3) のイに規定されている場合を除き、 上記アに規定されている以外の生活
 条件が、 動物用医薬品の使用なしでも、 家畜の健康の維持にとって適切な場合
 は、 必要であれば、 家畜は利用可能な移動空間あるいは外部への自由な出入り
 が制限される環境下に置くことができる。 

ウ. 家畜が飼養または放牧される場所を維持するために用いられる ふん尿管理
 作業は、 下記により実施されなければならない。 

・土壌の質の低下を来さないこと
・硝酸塩および細菌 (人の病原体を含む) による水質汚染を来さないこと
・栄養分のリサイクルを最大限に活用すること
・焼却または3) のアの第2の項目に反する作業を行わないこと

5) 使用の認められる合成物質

 下記の合成物質は、 関連する規定に沿って使用される限り、 オーガニック家畜
の生産に使用することができる。 

・微量ミネラル
・栄養補助剤
・飼料添加物
・動物用医薬品およびその他の動物健康管理物質
・ワクチンおよび生物製剤
・害虫管理物質


6 今後の争点


 USDAは、 政治的な配慮などから、 以下の3点をペンディングとし、 一般からの
意見を求めたうえで、 最終規則を制定するという微妙なスタンスをとっている。 
以下では、 その背景等について、 概要を報告する。 

1) バイオテクノロジー

  「オーガニック食品生産法」 には、 遺伝子組み換え作物の使用に関する規定は
特にない。 一方、 全国オーガニック基準委員会 (NSOB) は、 遺伝子組み換え作物
をオーガニックによる方法の下で生産されたと表示するのは禁止されるべきであ
ると答申している。 

 USDAによれば、 連邦政府の方針は、 遺伝子組み換え作物およびその製品につい
ては、 どのようにして生産されたかによってではなく、 リスクに基づいて規制さ
れるべきであるとしている。 そこで、 USDAは、 オーガニック農家および取扱業者
による遺伝子組み換え作物およびその製品の使用が、 認められるべきか、 禁止さ
れるべきか、 またはケースバイケースで認められるべきかについて、 一般からの
意見を求めることとした。 

 このような政府の対応は、 EUとの遺伝子組み換え作物に関する米国の立場を反
映したものであるとされている。 国際的には、 米国は、 栄養価値が変化するかア
レルギー性の特質が加わらない限り、 バイオテクノロジーを用いて生産された産
品は、 表示について他の産品と区別して取扱われるべきではないと主張しており、 
また、 EUに対しては、 遺伝子組み換え作物を含む食品に対して、 原材料として遺
伝子組み換え作物を含有する旨表示させるという要求を取り下げるよう主張して
いるからである。 

 今回提案された規則に対する一般からのコメントのほとんどは、 オーガニック
活動家によるものであるとみられており、 オーガニック食品には、 バイオテクノ
ロジーを用いて生産された製品が一切含まれてはならないと抗議するものがほと
んどであるとされている。 

 オーガニック畜産物の需要が拡大すれば、 オーガニック飼料穀物に対する需要
も拡大するものとみられることから、 USDAによる今後の取り扱いが注目される。 

2) 放射線照射

 放射線照射については、 豚肉が86年に特定の寄生虫の不活性化を目的として、 
鶏肉が92年 〔USDA認可:FDAによる認可は90年〕にサルモネラ菌等の病原菌
の抑制を目的として、 それぞれ既に認可されていた。 さらに、 高まる食品の安全
性確保への要請等を背景として、FDAは昨年12月、赤肉 (牛肉、 豚肉、 羊肉等)に
対する放射線照射を認可した。 

 一方、 NOSBは、 現存する州および民間の認証機関のオーガニック基準に沿って、 
オーガニック製品の取扱いに当たっては、 放射線照射の使用は禁止されるべきで
あるという答申を行った。 

 このため、 USDAは、 オーガニックに係る取扱原理との整合性を評価するためで
あるとして、 オーガニック製品に対する放射線照射の問題に関して、 一般からの
コメントを求めることとした。 

 放射線照射については、 消費者による否定的なイメージもあり、 一般の食品に
すらほとんど利用されていない中で、 さらにオーガニック活動家からもこれを認
めるのは後退であるとの抗議の声が挙がっており、 今後の取り扱いが注目される。 

3) 生ふん尿

 現存する州および民間認証機関のほとんどのオーガニック基準は、 人の消費用
作物の生産に供される土地に対する生ふん尿の使用について、 一定の条件を付し
て制限している。 一方、  「オーガニック食品生産法」 および今回提案された規則
は、 人の消費用作物の生産に供されない土地に対する生ふん尿の使用についての
み規定している。 

 USDAによれば、 家畜ふん尿の利用は、 それが生のままで直接農地に投入される
か堆肥化されて投入されるかにかかわらず、 オーガニック農業では一般的である
が、 生のふん尿を投入して作物を生産した場合の安全性については、 必要な決定
を下すのに適切なデータがないとしている。 

 このため、 USDAは、 オーガニック食品の安全性を保証するため、 最終規則に含
まれるべき人の消費を目的としたオーガニック食品の生産における、 生および堆
肥化された家畜ふん尿の利用に関するガイドラインに対して、 一般からのコメン
トを求めることとしたとしている。 



7 おわりに


 約7年間に及ぶ議論の末、 満を持してようやく案の公表に漕ぎ着けたオーガニ
ック農産物規則ではあるが、 今回の提案に対する業界の反応はやや冷ややかであ
り、 これまでのところ、 取り立ててこれを歓迎する意向は表明されていない。 そ
の理由は、 第1に、 急成長市場ではあるものの、 あくまでも限られた市場に関す
る規則であるという認識があるからであろう。 第2に、 6の今後の争点の項でも
触れたように、 コンベンショナルといわれる通常の農産物を否定する側面を有す
ることもその一因と考えられる。 

 今回公表されたオーガニック農産物規則案については、 当初、 3月16日まで
の90日間、 一般からのコメント受付期間が用意されていた。 しかしながら、 自
ら提案した答申案を緩められたことなどもあり、 NOSB自体がコメント受付期間を
6月中旬まで伸ばすべきであるとの要求を提示しているような状況の中で、 USDA
は2月6日、 コメント受付期間を45日延長し、 4月30日までとする旨を発表
するとともに、 既に4千以上ものコメントが寄せられていることを明らかにした。 
とりわけ、 オーガニック関連団体からは、 USDAの提案した規則案は、 現行のオー
ガニック規則に合致していないばかりか、 オーガニックの基準を低めるものであ
り、 そのままでは受け入れがたい、 と反対の
意が表明されている。 

 USDAによれば、 最終的な規則が固まるのは今年末頃になりそうであるとしてい
るものの、 残された政治的な課題も多いことから、 最終的な案のとりまとめが難
航し、 さらに時間を要することも十分予想される。 



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