中央農村工作会議、 農産品の生産安定等を確認 (中国)




農業重視政策の堅持を強調

 中央農村工作会議が、 97年1月7日〜9日に北京で開催された。 この会議は、 
3月の全国人民代表大会 (国会に相当) の前に毎年、 開催されるもので、 中央政
府によるその年の農業政策・生産目標等を全国の地方政府に対して周知徹底させ
る場となっている。 今回の会議には昨年同様、 江沢民国家主席をはじめとして、 
李鵬首相、 次期首相への就任が確定している経済担当の朱鎔基副首相らの要人が
揃って出席し、 農業の発展を国策の最優先課題として位置づける中国の姿勢が改
めて誇示されるものとなった。 

 本会議では、 今年の農業政策の理念として、 農業発展の基礎となる改革・開放
政策を推し進めた故〓小平氏の理論を堅持するとともに、 昨年9月に開催された
共産党15回大会で提唱された 「農業の産業化」 によって農産品の生産安定を図
ること等が示された。 


6項目の努力目標を策定

 本会議では、 今年の農業政策理念を遂行するため、 以下に述べる6項目の努力
目標が掲げられている。 

1 産業としての農業の位置づけを確固たるものにし、 農業の一層の安定成長を
  図る。 

2 農村における農業の基本政策の啓蒙に努め、 農民の積極性を育成する。 

3 農村における産業活動を支援し、 農業全体の資質と収益を高める。 

4 農業の総合的な生産能力を向上させることにより、 農産物の増産に努力する。 

5 農村改革を推し進め、 農村経済の発展に活力を与える。 

6 農村の経済基盤を強化し、 国家経済との協調発展を図る。 


穀物生産目標は前年並み

 また、 この会議においては、 当年の食糧等の生産目標が設定されることになっ
ている。 先に発表された96年の穀物生産量は、 5億5百万トンとなり史上最高
を記録した。 97年の生産量も干ばつ等の影響により96年の実績には及ばない
ものの、 それに迫る史上第2位の生産量が予想されている (目標値は4億8千万
トン) 。 このように、 穀物生産量は第九次五ヶ年計画期間の初年度である96年
に既に2000年の目標値 (4億9千万〜5億トン) を上回り、 97年も豊作が
予想されていることから、 98年の目標値も前年並みの4億9千万トンが設定さ
れた。 

 また、 これ以外には、 農林業、 畜産業、 漁業の生産拡大、 および農民一人当た
りの純収入を5%増加させ、 農村の貧困人口を1千万人以上削減することによっ
て、 農民の生活レベルを満ち足りた水準に向上させる基礎を築くこととしている。 



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