NZの牛乳・乳製品の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○99/2000年度の乳製品生産は順調に回復


好調な生乳生産を反映し、乳製品も増産

 ニュージーランド・デイリー・ボード(NZDB)によると、99/2000年度(99
年6月〜2000年5月)の乳製品生産量は、すべての乳製品で前年を大幅に上回る
こととなった。その要因としては、好天に恵まれ牧草の生育状態が良かったこと
から、生乳生産量が前年比14.2%増の97万トンと過去最高の水準となったことが
挙げられる。さらに最近の乳製品国際価格が一部を除いて高い需要を反映し上昇
していることにより乳製品輸出も好調で、生産動向に好影響を与えている。国内
での乳製品消費が生産量の1割にも満たないNZでは、輸出の増減が乳製品の生産
動向に及ぼす影響も大きい。

◇乳製品と生乳生産量の推移◇


回復を後押しする国際需要

 99/2000年度の乳製品生産については、各製品とも前年度を大きく上回る結果
となったが、むしろ、前年度の天候不順による生乳生産の減少に伴う乳製品生産
の落ち込みから回復したものと言える。したがって、99/2000年度は大幅な増産
となったにもかかわらず、結果的に脱脂粉乳を除いては、過去最高の生産量には
及ばず、96/97年度水準までの回復にとどまっている。

 製品別の生産状況を見ると、バター生産量は、前年度比9.5%増の35万トンと
なっている。国際価格は低迷しているものの、中東を中心としたNZ産バターへの
需要が大きい。また、脱脂粉乳の増産による影響も一因とみられる。

 脱脂粉乳の生産は、前年度比15.3%増の22万7千トンと、過去最高を記録した
96/97年度の19万9千トンを大きく上回った。その背景には、東南アジアを中心
とした需要が依然として強いこと、また、それを反映して国際価格も上昇してい
ることがある。NZナショナルバンクによると、2000/01年度の生乳生産は、引き
続き好調であるとの予測から、国際市場における脱脂粉乳の不足感も考慮すると、
今後の生産拡大が期待できる。

 全粉乳の生産は、前年度比9.3%増の37万3千トンと96/97年度とほぼ同水準に
戻した。回復の要因としては、脱脂粉乳と同様、東南アジアや中南米における需
要が高いことが挙げられ、国際市場でも高値で取引されている。

 また、チーズ生産量は、26万6千トンと乳製品の中でも前年度比24%の目立っ
た伸びを見せている。チーズの主な輸出先である、日本、東南アジア、米国に加
え、最近では中東などからの高い需要もあって、国際価格は上昇傾向にある。N
Zのチーズ生産が高い需要に対応できるのは、低コスト生産に裏打ちされた供給
力によるところが大きい。

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