北京の街角での食品消費(中国)

企画情報部企画課




ひとくちMemo

 北京の街角では、通常のレストランに加え、ファストフード店や簡易な売店ス
タイルの店舗などが、さまざまな食品で消費者の食欲を満たしている。中国のフ
ァストフード業界は、経済の伸びに伴う所得の増加(ファストフード、特に外資
系のものは、現地の人たちにとって安いとは言えない)、簡便性を求めるライフ
スタイルへの変化などにより、ここ数年売上高が大幅に伸びている。

 食品産業は、中国で最も早い時期から対外的に開放された業界の1つとされて
おり、ファストフード業界についても、その例外ではなく、ケンタッキー・フラ
イド・チキン(KFC)、マクドナルドをはじめとする外資系ファストフード店が
大幅に増加している。KFCは、87年に外資系のファストフードとして初の第1号店
舗を出店以来、現在では150以上の街に700以上の店舗を設け、2001年の売上高は、
ほぼ40億元(約600億円:1元=15円)に達したと報じられている。また、中国料
理協会(CCA)による2001年の中国の食品および飲料企業ランキングで、KFCとピ
ザ・ハットの中国での経営会社であるYum! Restaurants China社は第1位となっ
ている。

 一方、中国には、小龍包、ちまきや麺類などを提供する「小吃(シャオチー)」
と呼ばれる伝統的なファストフード店などがあり、依然として、ファストフード
業界の売り上げの大半を占めているものの、外資系のファストフードの攻勢に苦
戦を強いられているところもあるようだ。
また、食品の小売りにおいては、簡便性を求める消費者のニーズに応じて、「便
利店」と呼ばれるコンビニエンス・ストアが大都市を中心に増加している。
       
 中国において外資系ファストフー
ドのみならず、業界全体のトップを
走るKFCでは、現地消費者層の拡大
を図るため、通常メニューへの中華
料理、朝食メニューへのおかゆの追
加などに着手している。
 
 KFC、ピザ・ハットなどの米国系の
ファストフード店に加えて、吉野家
も進出している。吉野家のホームペ
ージによれば(10月30日現在)、大
都市を中心に28店舗が運営されてい
る。

 中国の伝統的なファストフード店と代表的な料理。外資系の攻勢が伝えられる
一方で、外資系の経営や品質管理などの方法を参考に、チェーン展開を行う地元
ファストフード会社の急成長も報じられている。
 売店のカウンター。手前におかれたストロー付きの陶器のコップが、一般的に
飲まれているヨーグルトドリンク。女性の人気も高いようだ。
 都会生活者のオアシス、コンビ
ニエンス・ストアも大都市を中心
に増加中。24時間営業で、店舗に
よっては、販売されている品目の
種類が日本のものに近いところも
ある。

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