米国の牛乳・乳製品の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○生乳生産量は過去最高の見込み


● ● ● 生乳生産量は、前年同期比2.9%増 ● ● ●

 米農務省(USDA)によると、2002年の生乳生産量は第3四半期(1
〜9月)までの累計で、前年同期を2.9%上回る5,813万9千トンとなった。カ
リフォルニア州、アイダホ州など主要20州について見ると、前年同期比2.8%
増の5,016万3千トンとなった。さらに、全生乳生産量の約7割を占める上位10
州については、ミネソタ、ペンシルベニア、ウィスコンシン州を除きいずれも
前年同期を上回っており、ニューメキシコ州が15.1%増で最大の伸びとなった。

2002年(1〜9月)の州別生乳生産

資料	:USDA「Milk Production」
 注	:経産牛頭数は、第2四半期の数値

● ● ● 1頭当たり乳量の増加から生産増 ● ● ●

 この生乳生産量の増加は、1頭当たり乳量の伸びによるところが大きい。1
〜9月における平均経産牛頭数は、前年同期並みの913万8千頭であったのに
対し、この期間の1頭当たり乳量は、飼料穀物価格が低水準で推移したことな
どから、前年同期比2.7%増の6,363キログラム(1日1頭当たり約23.5キログ
ラム)となっている。こうしたことから、2002年の年間の生乳生産量は、こ
れまでの記録であった2000年を上回り、前年比2.8%増の7,702万トンと史上
最高と見込まれている。

◇図:経産牛頭数および1頭当たり乳量の推移◇


● ● ● 供給過剰により価格は前年割れ ● ● ●

 このような生乳の供給過剰を受け、生乳農家販売価格(飲用向け乳価と加工
原料乳価の加重平均)は、2002年3月以降連続して前年同月を下回って推移し
ており、10月は前年同月比23.7%安の100ポンド当たり11.7ドル(1キログラム
当たり約32円:1ドル=124円、以下同じ)となった。また、2002年通年の生乳
農家販売価格の平均は、前年より20%程度下回り、100ポンド当たり12.10〜12
.20ドル(約33円)と2000年並みの低水準にとどまると見込まれている。


● ● ● 乳製品卸売価格も軒並み低下 ● ● ●

 また、乳製品卸売価格も低下が目立っており、バターの1〜10月の平均価
格は、前年同期比35.7%安の100ポンド当たり111.4セント(約305円)、脱脂
粉乳は同6.7%安の92.5セント(約253円)、チェダ−チーズは同19.0%安の12
0.3セント(約329円)と前年同期を下回っている。

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