フランス、イギリス産牛肉の輸入禁止措置を解除


フランス食品安全庁がイギリス産牛肉の安全性を確認

 フランス政府は10月2日、イギリスにおける牛海綿状脳症(BSE)の発
生に伴い講じてきたイギリス産牛肉の輸入禁止措置の解除を決定した。これは、
フランス食品安全庁(AFSSA)がイギリス産牛肉の輸入について、フランス消
費者の安全性を脅かすものではないとの見解を明らかにしたことに基づくもの
である。今回の解除により、EU全加盟国でイギリス産牛肉の輸入が認められた
こととなる(本誌9月号トピックス参照)。


EU委員会等は歓迎のコメントを発表、イギリス生産者団体は罰金逃れと非難

 EU委員会のデビッドバーン保健・消費者保護担当委員は、今回のフランス
政府の決定を歓迎するとともに、EUの科学的見解の正当性が証明されたことに
満足の意を表明した。

 また、イギリス政府は3年以上にわたり、イギリス牛肉産業に暗い影を落と
していた課題が解決したことは非常に喜ばしいことであるとし、さらに、イギ
リスの輸出業者が失った市場を早期に取り戻し、世界で最も安全で高品質の牛
肉の1つであると認められたイギリス産牛肉を供給できるようになることを楽
しみにしているとコメントした。また、同政府は、EU以外の国への輸出が可能
となるよう働きかけを続けるとしている。

 一方、イギリスの生産者団体は、EU委員会が、欧州裁判所に対して、フラン
スの当該措置が解除されない場合に多額の罰金を課すよう要請していたことに
関して、フランスが罰金を課せられる直前に、これを解除したことを非難した。
また、今回のような事態の再発を避けるためにも、EU委員会は迅速な懲罰の対
応を実施できるようシステムを変更すべきであるとしている。

 なお、フランス農業省は今回の解除決定に関連し、ゲマール農相が、ドイツ、
イタリア、スペインおよびフランスで既に行われている24カ月齢以上の牛を対
象とするBSE検査を、すべてのEU加盟国が統一的に実施するようEU委員会に求
める予定であることを公表した。

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