豪州の牛肉の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○問題を抱えながらも好調を維持する2002/03年度上半期の牛肉輸出


● ● ● 過去最高を記録した2000/01年度を上回るペース ● ● ●

 豪州農林漁業省(AFFA)の統計資料によると、2002/03年度上半期(7〜12
月)の牛肉輸出量(船積み重量ベース)は、前年同期比3.9%増の49万2,247ト
ンとなった。2000/01年度の輸出量は北米などからの強い需要と豪ドル安を要
因に過去最高を記録したものの、2001/02年度には前年度と比べて5.9%減少
した。今期の輸出量は、上半期としては過去最高を記録した2000/01年度を上
回っており、下半期の動向によっては、年度でも記録を更新する可能性がある。

◇図:牛肉輸出量の推移◇


● ● ● カナダ向けと韓国向けが大きく増加 ● ● ●

 2002/03年度の牛肉輸出を主要輸出先国別に見ると、カナダが前年同期比56
.1%増の4万2,628トンと大幅に増加している。これは、ウルグアイやアルゼン
チンが口蹄疫の影響で輸出できないため、代替として豪州から輸入しているこ
とが要因とみられる。また、近年、豪州が新たな輸出市場として注目している
韓国も、前年同期比23.4%増の4万7,451トンと大きく増加している。


● ● ● 米国向けは関税割当枠配分で減少、日本向けはBSE発生以前の水準に回復 ● ● ●

 豪州にとって最大の牛肉輸出市場である米国は、前年同期比9.4%減の18万
4,597トンと大きく減少した。2001年には、米国向け牛肉の関税割当の一次関
税率枠(37万8,214トン)を初めて超過し、輸出量の記録を更新した。しかし、
2002年は、一次関税率枠を超えないように輸出業者間で配分されたため、2002
/03年度上半期の輸出量は増加しなかった。

 一方、日本向けについては、前年同期比4.4%減の14万1,227トンとわずかに
減少した。日本向けは、2001年に日本において発生した牛海綿状脳症(BSE)
の影響により消費が低迷したため、2001/02年度は前年度比10.1%と大きな減
少率を示しており、2002/03年度もその影響が続いている。しかし、豪州食肉
家畜生産者事業団(MLA)では、2002年12月にはBSE発生以前の2000年12月とほ
ぼ同水準であったことから、BSEの影響から回復しつつあるとみている。

国別輸出量(上半期)

資料:AFFA
 注:船積み重量ベース

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