豚肉の民間在庫補助を発動   ● E U


需給改善対策としてAPS発動を決定

 EU豚肉管理委員会は12月5日、豚肉の民間在庫に対する補助(APS)の発動を
採択した。翌12月6日、EU委員会から、これに関する規則が発表され、12月9日
から適用することとなった。

 EUでは、最近の豚肉需給の緩和に伴い市場価格が下落しており、一部の加盟
国では生産コストを割り込む水準まで低下し、さらに、クリスマス・年末年始
を向えても改善が見込まれない状況にあった。このような豚肉価格の状況の中、
豚肉を民間在庫として隔離することにより、市場流通量の抑制を図り、需給の
改善を達成するための対応策としてAPSが発動された。APSは、豚肉流通業者が
申請した特定期間、豚肉を市場から隔離した場合に保管料等について助成する
ものである。


豚肉価格が大幅に低下

 APSは、EUの主要市場における平均価格が、基本価格(basic price、1,509.
39ユーロ/トン)の103%を下回り、かつ、低い価格水準の継続が見込まれる
場合に、発動されることとなっている。EU委員会によれば、12月第1週におけ
る市場価格は1,249.50ユーロ/トンと、基本価格を大きく下回っている状況に
ある。

 豚肉流通業者は、契約在庫期間(3、4、5ヵ月)を定めて申請をし、それが
受理された後、その期間と部位の別に定められた助成単価を基に助成金が交付
される。APSの対象となった在庫豚肉は、保管期間が2ヵ月を経過した後であれ
ば、契約在庫期間内であってもEU域外へ輸出することができることとなってお
り、また、契約終了後の販売先の制限は設けられていない。

 今回の措置においても、管理および契約事務の合理化等の観点から一契約あ
たりの最小数量を定めており、その数量は、脱骨したものが10トン、その他の
ものが15トンとなっている。

 なお、前回(1998年9月28日から1999年9月18日まで実施)の契約は、427,051
トン弱の豚肉が在庫契約の対象となった。

助成単価

(注)「ミドル」とは、ロースとベリーの一部で構成される部位

元のページに戻る