統計でみるオーガニックの状況   ● 米 国


著しい伸びをみせる肉用鶏のオーガニック羽数

 オーガニック食品の生産・表示・認証等に関する連邦規則は、2002年10月21
日から施行され、12月末時点で13の州政府機関と61の民間・団体機関がオーガ
ニックの認証を行っている。すでに一部スーパーなどにおいて「米農務省(US
DA)認定マーク」(「海外駐在員情報(通巻544号)」参照)を表示した食品
を購入することができる。こうした中、USDA経済調査局(ERS)は、2001年に
オーガニック認定された農地面積などを「Agricultural Outlook(11月号)」
で公表した(下表参照)。

 農地のうち、牧草地は、104万エーカー(420,888ヘクタール)で、97年との
比較では210%増となった。州別には、コロラド(約51万エーカー)、テキサ
ス(約22万エーカー)、モンタナ(約14万エーカー)の3州で全体の約8割を占
めている。なお、2001年には、37州においてオーガニック家畜生産農場が認定
されている。耕地は、約131万エーカー(約530,157ヘクタール)が認定され、
野菜・果実の生産地であるカリフォルニア州(約15万エーカー)や小麦・大豆
などの生産地であるノースダコタ州(約14.5万エーカー)などが多い。オーガ
ニック認定されたすべての農地面積は、オーストラリア(1,900万エーカー)、
アルゼンチン(690万エーカー)、イタリア(260万エーカー)に次ぎ世界第4
位となっている。

 畜産関係では、肉用鶏(七面鳥を含む)の約338万羽(97年比86.7倍、以下
同じ)、採卵鶏の約161万羽(3倍)、乳牛の約4万8千頭(約3.8倍)の認定頭
羽数が多い。特に、肉用鶏(七面鳥を含む)の伸びが著しいのは、肉牛などに
比べ容易に飼養形態が変えられることや99年2月にはじめて食肉および家きん
肉へのオーガニック表示が認められたことなどがその要因と考えられる。


オーガニック市場、過去10年間で平均20%の成長

 また、オーガニック食品の販売先については、91年では、自然食品スーパー
が68%、一般的なスーパーが7%、農産物直売市場が25%となっていたものの、
2000年には、自然食品スーパーが48%、一般的なスーパーが49%、農産物直売
市場が3%となっている。なお、これらスーパーで販売されているオーガニッ
ク食品のうち、生鮮野菜・果実が飲料(牛乳を除く)、穀物(パンを含む)、
オーガニック加工食品(ベイビーフード、スープなど)、乳製品を抑えて最も
売れ行きが良い。   

 オーガニック市場は、過去10年間で平均20%を超える成長を続けており、20
01年のオーガニック食品の販売額は約90億ドル(約1兆890億円、1ドル=121円)
に達している。これは、食品販売額全体の約2%に過ぎないが、食品の安全性
や環境への配慮に対する消費者の関心が高まる中、どこまで急成長を続けるの
か注目される。

オーガニック認定された農地面積などの推移

(参考;1エーカー=0.4047ヘクタール)

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