EUの牛肉の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○2002年の牛肉取引価格は回復


● ● ● EU平均価格、前年比7.5%増 ● ● ●

 フランス畜産振興会(OFIVAL)は、EU加盟各国のと畜場における牛肉取引価
格を基に算出した、2002年のEU各国における肥育牛生産者平均価格を発表した。
これによると、2002年のEU平均価格は、と体重換算で100キログラム当たり239
.7ユーロ(30,442円:1ユーロ=約127円)となり、2001年の平均と比較して7.
5%上昇した。このように2001年と比べて上昇したが、2001年は、2000年末にE
Uで拡大した牛海綿状脳症(BSE)問題の再燃を受けて、生産者価格は大きく低
下しているので、2000年の価格と比ベると、7.9%下回っている。

 このように、BSE問題の再燃を契機に大きな落ち込みを見せたEUの肉牛価格
であったが、その後のEUの牛肉価格対策の実施や、各国での消費回復策の実施
により回復してきている。また、EU域外への輸出量の増加も肉牛価格の上昇の
要因となっている。しかし、2002年の価格が、2000年の水準にまでは回復はし
ていないことについて、OFIVALでは、豚肉や鶏肉への消費のシフトなどがある
とみている。


● ● ● イタリア、スペイン、ドイツで大幅な伸び ● ● ●

 国別に見ると、デンマーク、スウェーデン、ギリシャ、およびフィンランド
を除くすべての国で前年を上回った。中でもイタリア、スペインおよびドイツ
は前年と比べて13%以上もの高い伸び率を示している。しかし、これらの国も、
2000年の水準には回復していない。

EUの肥育牛生産者価格(と場出荷価格)

資料:OFIVAL
 注:2002年は1/1〜11/20までの平均

◇図:EU平均および主要国の成牛価格の動向◇

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