第3四半期の鶏肉輸出量は、前年同期比8.3%減


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 卸売価格の一時的な回復により、第3四半期の輸出量はかなりの程度減少 ● ● ●

 米国農務省(USDA)によると、9月のブロイラー輸出量は、ハリケーンにより港湾施設が被害を受けた前年同月を5.3%下回る16万3千トンとなり、2006年第3四半期(7〜9月)は前年同期比8.3%減の55万5千トンとなった。輸出量が減少した主な理由は、低迷していた鶏肉卸売価格が夏場に入って、一時的に上昇したためとされている。

 仕向け先別に第3四半期の輸出量を見ると、価格の動向に敏感な東欧諸国が前年同期比97.3%減の1,049トンと大幅に減少、上半期、順調に輸出量を伸ばしていたメキシコ向けも32.0%減の4万1千トンとなった。全輸出量の35%を占めるロシア向けは、価格上昇に加え、上半期に大口の買い付けを済ませていたことから、7月以降の輸出量が伸びず、前年同期比4.5%減の19万9千トンとなった。

図1 第3四半期 ブロイラー輸出量


資料: USDA「Livestock, Dairy and Poultry Outlook」
  


● ● ● レッグクオーターの卸売価格は、秋以降下落傾向に ● ● ●

 輸出向けの主力製品である骨付きもも肉(レッグクオーター)の北東部における卸売価格は、4月には前年同月を51.3%下回るポンド当たり17.6セント(キログラム当たり45円:1ドル=117円)であったが、前年を大きく上回って推移していた在庫量の減少に伴い、8月には同14.6%安の同39.0セント(同101円)まで回復していた。9月以降は下落傾向に転じており、11月の卸売価格は同0.4%安の同29.2セント(同75円)となっている。USDAは、2006年中はこの傾向が続くとの見方を示している。

図2 骨付きもも肉(レッグクオーター)卸売価格の推移


資料:USDA「Livestock, Dairy and Poultry Outlook」


● ● ● 2007年、主要輸出先ロシアのブロイラー輸入量は減少の見込み ● ● ●

 USDAは、2007年の輸出動向予測を発表し、ブロイラー輸出量について前年比7.4%増の250万8千トンになるとの見方を示した。主要輸出業者は、軒並み船積みされる量が増加するだろうとの見込みを示しており、また国際市場におけるシェアが大きく変化することはないとみている。USDAは、2007年の全世界の輸出量に占める主要国・地域のシェアはブラジル38%、米国37%、EU10%になるとしている。

 ブラジルの輸出動向について、主要通貨に対してレアルが強含みで推移すると見込まれることから、輸出量の増加は2%程度にとどまり、255万トンになるとの予測が示された。また、鶏肉の輸入大国であるロシアの輸入動向について、近年鶏肉増産に力を入れていることから、輸入量は7%以上減少し、115万トンになると見込まれている。


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