ALIC/WEEKLY


今年度トウモロコシ生産は微増と予測(ブラジル)



【ブエノスアイレス駐在員 玉井 明雄 7月20日発】世界のトウモロコシ生産
の約5〜6%を占めるブラジルでは、養鶏、養豚などの畜産業を中心とした大消費
市場が形成されていることから、国内消費の不足分はアルゼンチンなどからの輸入
で補っている。

 国家食糧供給公社(CONAB)によると、98/99年度では、生産量が3,240万ト
ン、輸入量が110万トン、消費量が3, 500万トンであった。 

 同国のトウモロコシ生産は、伝統的にパラナ州、サンタカタリナ州、リオグラン
デドスル州からなる南部が中心で、同地域が全体の約45%を占める。中でも、パラ
ナ州は、全生産量の約4分の1を占め、同国最大のトウモロコシ生産州である。

 CONABは、7月13日、99/2000年度におけるトウモロコシの収穫状況調査結
果を発表した。これによると、収穫時期が2〜4月のトウモロコシの収穫(第1収
穫)量を前年比1.9%増の2,726万トンと推計し、収穫時期が7〜8月のサフリンニ
ャと呼ばれる端境期収穫(第2収穫)量を、前年比3.5%増の585万トンと見込み、
全体で、前年比2.2%増の3,311万トンと予測している。

 第1収穫における地域別の状況では、主要生産地において、作付け時のトウモロ
コシ価格が良好であったが、雨不足により作付けが遅れたため、トウモロコシから
大豆への選択を行った生産者が多かったことなどから、中西部が前年比8.6%減の
428万トン、南東部が3.2%減の685万トンと減少した。南部は2.3%増の1,224万ト
ンとなったが、その中でパラナ州は4.8%減の556万トンであった。一方、天候に恵
まれた北部、北東部は、それぞれ2.6%増の109万トン、42.4%増の281万トンとな
り、特に、北東部における増産が、今年度の生産量を前年度をやや上回る水準とし
た。

 第2収穫(サフリンニャ)については、南東部が干ばつの被害などにより33.5%
減の64万トンと大幅に減少するが、北東部が0.2%減の26万トン、中西部が17.6%
増の213万トン、南部が7.6%増の282万トンとなることから、全体で3.5%増と見込
まれている。しかし、現地報道によれば、7月の中旬に、パラナ州などで霜害が発
生したことから、第2収穫分はこの予測値を下回るとしている。

 同国では、養鶏、養豚産業における生産増加などに伴いトウモロコシ需要が増加
する一方、生産量の大幅な増加は期待できないことなどから、トウモロコシの供給
不足が懸念されている。生産者価格も、昨年9月以降高騰し、サンパウロ州におけ
る2000年1〜5月の月平均価格(60kg当たり)は、前年同期比で50.0%高の13.2
レアル(約792円:1レアル=約60円)、パラナ州では37.8%高の11.3レアル(約
678円)となった。

 養鶏、養豚業界では、こうした飼料原料の高騰時においては、市場の価格変動リ
スクを直接被るインテグレーションの傘下にない生産者や、十分なストックを確保
することのできない中小の企業にとって、その影響はより深刻なものとなる。


元のページに戻る