ALIC/WEEKLY


2000年の穀物収穫は豊作を予測(豪州)



【シドニー駐在員 幸田 太 6月15日発】豪州農業資源経済局(ABARE)
は6月6日、主要穀物の年間収穫予想を発表した。これによると、今冬(10〜11月)
の穀物生産量は、単位面積当たりの収穫量が咋シーズンをわずかに下回るものの、
作付け総面積は1,920万ヘクタールと昨シーズンより10万ヘクタール増加するため、
最終的には3,440万トンと史上3番目の収穫が予測されている。

 穀物別の作付面積を見ると、大麦は、小麦や菜種に比べ価格面で有利なため、豪
州国内全州で作付けが増加し、昨シーズンを24%上回る280万ヘクタール、小麦は2
%増の1,170万ヘクタールとしている。一方、菜種は15%減の150万ヘクタールと、
大麦への移行が顕著になりつつある。

 ABAREでは、作付け予測と併せ、今夏(5〜6月)に収穫された夏作穀物
(ソルガム等)についての収穫量も発表した。

 全体の収穫量は、当初予想を9%下回る440万トンとなったが、作柄については、
クインズランド(QLD)州北部での大雨に伴う品質低下があったものの、ニュー
サウスウェールズ(NSW)州およびQLD州南部で高品質となり、全体として平
均以上の良い品質であるとしている。

 今冬の主な州別作付け予測は次の通り。
(NSW州)
 晩夏と秋の理想的な降雨により土壌条件が整っており、主要な穀物生産地帯は作
付けに絶好の状態である。このため、作付面積は昨シーズンを1.5%上回る460万ヘ
クタール、早稲品種については、平均以上の単収が予測される。

(QLD州)
 中央地域は、好条件の雨と土壌水分に恵まれ、作付けには問題がないものの、一
部地域での豪雨と、南部地域を中心とする少雨のため作付けが遅れ、作付面積は、
昨シーズンを2%下回る130万ヘクタールとしている。

(ビクトリア州)
 今年前半は天候に恵まれたものの、南部では、作付けを開始する秋に入り、地域
的に乾燥が続いており作付けの遅れが発生している。その結果、作付面積は昨シー
ズンを1%下回る240万ヘクタールとしている。

 以上のように主要穀物地域は、おおむね安定した生育条件に恵まれ、良好な作付
け状況から史上3番目の豊作と収穫が予測されている。

 ABAREは、今回の発表に当たり、病虫害委員会から報告された春の収穫時期
の病虫害の発生について、今年当初に発生したNSW州西部およびSA州北部の事
例を挙げ、同様の事態が今後発生する可能性を示唆し警戒をうながしている。また、
西オーストラリア州およびQLD州については、今後、乾燥による作付けの遅れか
ら、品質劣化が懸念されるとしているが、あくまで現段階での予測と強調している。

 穀物生産量の動向は、豪州の肉牛(穀物肥育)生産や豚肉生産にも直接影響を与
えるだけに、最終的な収穫結果がどのようになるか、今後が注目される。


元のページに戻る