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米国の肉牛フィードロット・ランキング


【ワシントン駐在員 渡辺 裕一郎 11月1日発】米国の肉牛業界紙「キャトル
・バイヤーズ・ウィークリー」はこのほど、肉牛フィードロットの上位30社のラ
ンキングを発表した。これは、各社の所有権または経営権が帰属するフィードロ
ット施設の最近における合計最大収容能力を比較したものである。

 上位4位までの順位は昨年と変わらず、第1位がカクタス・フィーダーズ社
(46万5千頭・9施設)、第2位がコンチビーフ社(42万5千頭・6施設)、
第3位がコナグラ・ビーフ社(42万頭・5施設)、第4位がキャプロック社(2
8万5千頭・4施設)の順となっている。

 同紙は、上位10社のうち5社が、他社の買収と既存施設の拡張により、昨年に
比べ規模を拡大させており、また、99年における全米の出荷頭数に占める割合は、
上位10社の合計で約2割、上位30社では約4割にも上るとの推計を行っている。

 規模拡大が最も顕著なのは、テキサス州のウェスト・プレインズ・フィードヤ
ード社を買収した第3位のコナグラ・ビーフ社(昨年比7万5千頭増)で、これ
に次ぐのが、同様に他社を買収して、昨年の第13位から今回第9位に躍進したフ
ォー・ステイツ・フィードヤーズ社(同7万頭増)となっている。

 このように、大規模化・集中化が進展するフィードロット経営にとっては、肥
育素牛を安定的に確保し、施設の能力を最大限発揮させることが重要な課題の1
つとなっている。しかしながら、肉用牛部門においては、繁殖・肥育一貫経営や
生産契約などに基づいた取引形態の割合は、養豚部門に比べると低く、繁殖経営
とフィードロットとの間で肥育素牛がスポット的に売買される形態が最も一般的
であるとされている。

 こうした中で、昨年よりもさらに5千頭の規模拡大を行った第1位のカクタス・
フィーダーズ社は、この夏、繁殖農家から直接肥育素牛を購入するためのEコマー
スのウェブサイトを開設するとともに、現在ほぼ半数を占めるカスタム・フィーディ
ング(受託肥育)も、引き続き実施していくとしている。また、第4位のキャプロッ
ク社も、と畜後の成績に応じたプレミアムを、素牛の購入代金とは別に支払うという
プログラムをスタートさせるなど、繁殖農家との提携を強化している。

                     肉牛フィードロット上位10社
順 位 会社名 本 社 最大収容能力
(千頭)
施設数
1(1)
2(2)
3(3)
4(4)
5(6)
6(5)
7(8)
8(7)
9(13)
10(9)
Cactus Feeders, Inc. ContiBeef LLC
ConAgra Beef Company Caprock Industries
J. R. Simplot Co.
National Farms, Inc.
Friona Industries LP Cattlco/Liberal Feeders Four States Feedyards Agri Beef Company
テキサス州
コロラド州
コロラド州
テキサス州
アイダホ州
ミズーリ州
テキサス州
テネシー州
コロラド州
アイダホ州
465  (460)
425  (425)
420  (345)
285  (285)
270  (260)
269  (274)
235  (230)
215  (235)
209  (139)
180  (180)
9  (9)
6  (6)
5  (4)
4  (4)
3  (3)
7  (7)
5  (5)
4  (5)
7  (5)
6  (6)
資料:CATTLE BUYERS WEEKLY (2000年10月30日号)
注:( )内は、昨年の数値である。


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