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2000年上半期のブラジル鶏肉輸出量は増加

【ブエノスアイレス駐在員　玉井　明雄　９月１２日発】ブラジル鶏肉輸出業者協
会（ＡＢＥＦ）が公表した2000年上半期（１〜６月）の鶏肉輸出量（骨付きベース。
以下同じ）は41万トンで、前年同期と比べ17.1％増加した。

　形態別に見ると、丸どりは20万７千トンで、前年同期比7.5％の増加であったの
に対し、パーツは28.8％増の20万３千トンと大幅に増加した。パーツの全輸出に占
めるシェアは4.5ポイント上昇し49.5％となり、丸どりのシェアとほぼ等しい水準
に達した。

　地域別の輸出量の推移を見ると、丸どりの主要市場である中東地域向けは、1.2
％減の15万８千トンとなり、全輸出に占めるシェアは38.5％と４割を割り込み、前
年同期と比較し7.2ポイント下げた。ＡＢＥＦはこの要因として、鶏肉業界が価格
低下の著しい同地域向け鶏肉輸出を手控えたことを挙げている。　

　一方、パーツの主要市場である日本を含むアジア地域向けは32.2％増の14万トン、
ＥＵ向けは39.3％増の５万６千トンとなり、全輸出に占めるそれぞれのシェアは、
アジア地域が3.9ポイント上昇し34.1％、ＥＵ向けが2.2ポイント上昇し13.8％とな
った。なお、南米南部共同市場（メルコスル）向けは17.3％増の２万６千トンとな
った。

　国別では、サウジアラビア向けが5.2％減の９万４千トン、クウェート向けが11.6
％減の１万９千トンとなったのに対し、香港向けが39.9％増の６万１千トン、日本
向けが31.8％増の５万８千トンと顕著な増加を示した。他のアジア地域向けでは、
中国が８千トンと約2.5倍に増加した。

　ＥＵ地域について見ると、ドイツ向けが4.3％増の１万１千トン、スペイン向けが
7.7％増の１万１千トンとなったが、オランダ向けが92.1％増の１万５千トン、イギ
リス向けが89.4％増の１万１千トンと大幅に増加し、ＥＵ向け輸出増の原動力とな
った。

　今年上半期の鶏肉輸出量が大幅に増加する一方、輸出額（ＦＯＢベース。以下同
じ）は、前年同期比11.7％減の３億７千２百万ドル（約405億円：１ドル＝109円）
となり、１トン当たりの平均輸出価格は907ドル（約９万９千円）と前年同期を24.6
％下回った。

　ＡＢＥＦによれば、同国からの輸出が大幅に増加したことから、平均輸出価格は
低下し、今年６月には868ドル（約９万５千円）となったが、中東地域向け鶏肉輸
出を手控えたことなどから価格低下に歯止めがかかり、７月の平均輸出価格は前月
並みにとどまったとしている。

　また、ブラジルブロイラー用ひな生産者協会（ＡＰＩＮＣＯ）では、今年上半期
の鶏肉輸出量が、前年同期を上回ったものの、鶏肉業界が期待した数量に達しなか
ったのは、アルゼンチンによる輸入規制措置や新規の鶏肉輸出業者による価格の引
き下げなどに起因するとしている。

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