ALIC/WEEKLY


EUの豚と畜頭数は今年後半に減少の見込み


豚肉生産見込みは全体ではほぼ前年並み
  EUの豚肉業界関係者で構成される豚肉常設委員会予測グループの需給見通
しによると、2003年のEUの豚肉生産量は、前年比0.5%減の1,770万トン(枝
肉ベース、以下同じ)と予測されている。一方、同年のEUの豚肉消費量は、
前年比0.3%増の1,665万トンとほぼ前年と同じである。

  輸出量は、前年比11.3%減の110万トンと予測されている。この理由として
は、@米ドルに対するユーロ高 Aロシアの関税割当制度の導入 Bブラジルの
世界市場の進出による競争激化−などが挙げられる。

  EUの豚と畜頭数を四半期ごとに見ると、第1四半期は前年同期比1.9%(
95万5千頭)増の 5,141万9千頭であった。これは、デンマークおよびスペイ
ンからの供給で増加したが、イギリスやオランダで減少したことがEU全体の
増加を一部相殺した。第2および3四半期は前年同期に比べ減少するが、その
程度はわずかである。第4四半期は、前年同期比2.6%(約140万頭)減の5,266
万3千頭となっている。


 
デンマーク、フランスは安定的な生産

 2003年の主な加盟国の生産状況を国別に見ると、ドイツ、スペイン、デンマ
ーク、イタリアおよびフランスで増加、イギリスおよびオランダでは減少する
とみられている。

  生産量の減少が顕著なイギリスでは、前年比9.9%減の71万6,500トンと予
測されているが、これは、2002年12月の調査において繁殖豚の頭数が前年比
4.2%減と記録されたことによる。なお、イギリスの総飼養頭数は減少を続け
ており、同年12月の調査では前年比6.3%減の533万頭となっている。

  オランダは、豚肉生産量が 8.6%減と予測されているが、これは、同国の
今年4月および5月に行われた調査により、豚の総飼養頭数が前年比 9.9%
減となったことによる。 2000年 12月の調査で、オランダの飼養頭数はEU
で4番目であったが、デンマークの飼養頭数が増加している一方、同国では
頭数が減少していることから、2001年より順番が逆転している。オランダの
豚総飼養頭数は、2002年12月の調査で前年比3.1%減の1,115万4千頭であっ
た豚の総飼養頭数が2,625万1千頭(2002年12月の調査)とEU最大の豚肉
生産国であるドイツでは、2003年のと畜頭数が4,100万頭と前年とほぼ同じ
であるが、枝肉重量の増加から生産量は1.1%増の417万トンと予測されてい
る。ドイツに次ぐ生産量のスペインでは、0.7%増の314万トンと予測されて
いる。EUで3番目、4番目の生産国であるフランスおよびデンマークは、
それぞれ0.8%、0.7%増の236万トン、177万トンと予測されている。



四半期別の豚と畜頭数(予測)
             (単位:千頭、%)
  2002年 2003年 (03/02)
第1四半期 50,461 51,419 +1.9
第2四半期 48,840 48,421 ▲0.9
第3四半期 49,714 49,451 ▲0.5
第4四半期 54,068 52,663 ▲2.6
年合計 203,083 201,954 ▲0.6
 
【ブラッセル駐在員 関 将弘 8月6日発】

元のページに戻る