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EU、域外でのEU産農産物の販売促進計画を承認


競争力向上のため、域外市場でのプロモーションを実施
 EU委員会は1月16日、EU域外でのEU産農産物の情報提供・販売促進計画
を承認した。今回承認されたのは、加盟国から申請された20事業のうちの6事業
で、事業総額は約1,400万ユーロ(約17億5千万円:1ユーロ=125円)に上る。
このうち、50%の約700万ユーロ(8億7,500万円)がEUから補助される。ター
ゲットとなる地域は、日本、米国、東南アジア、EU加盟候補国などで、ベーコ
ンや乳製品のほか、ワイン、果物、野菜が対象産品となる。

  EU委員会のフィシュラー委員(農業、農村開発および漁業担当)は、「域外
市場におけるEU産の高品質な農産物の競争力向上は、大きな課題である。域外
でのEU産農産物の販売促進・情報提供キャンペーンに1,400万ユーロを投入す
ることで、この課題に取り組むEUの決意を示した」と述べた。



キャンペーンでEU産の特徴をアピール

  EUでは99年12月に、域外市場でのEU産農産物の情報提供・販売促進に関す
るEU規則(理事会規則EC/2702/1999)が定められた。補助の対象となる事業は、
@域外市場におけるEU産農産物に関する広報、販売促進、宣伝(特に、品質、
衛生、安全性、栄養、表示、動物福祉および環境への配慮に関して、EU産農産
物の優位性に焦点を当てたもの)、A国際的な食品イベント、フェア、展示会へ
の参加、B原産地呼称保護制度(PDO)などEUの品質・表示制度に関するキ
ャンペーン、C新たな市場に関する調査などである。

  EUの品質・表示制度に関する情報提供や市場調査などの特定の事業に対して
は、事業費の 100%を補助することができる。また、販売促進キャンペーンなど
のその他の事業については、事業費の一部を補助できることとなっている。

  EU委員会は2001年12月、この規則に基づき、18事業、総額 1,900万ユーロ(
約23億8千万円)の複数年にわたる情報提供・販売促進計画を承認した。今回の
承認は、これに次ぐ2回目に当たるもので、初回に承認された事業とは異なる品
目で、ターゲットとなる市場も異なる地域を対象としている。
日本、米国市場が主なターゲット

 今回承認された6事業のうち、日本市場をターゲットにしたデンマークおよび
フランス産ベーコンの2ヵ年に渡る販売促進の事業費が880万ユーロ(11億円)と
もっとも大きく、全体の6割以上を占めている。この事業はデンマーク豚肉機構
連合(DS)等が事業主体となる見込みである。

  次いで、米国市場でのフランスおよびスペイン産ワインの3ヵ年にわたる販売
促進が285万ユーロ(約3億6千万円)となっている。

  その他の事業は、果物、野菜、乳製品を対象として、米国、カナダ、東南アジ
ア、スイス、ロシア、中南米のほか、チェコやポーランドといったEU加盟候補
国などさまざまな地域でキャンペーンを実施するものとなっている。


【ブラッセル駐在員 山田 理 1月22日発】 

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