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加からの生体牛の米国への輸入規則案、OMBに付託


カナダからの生体牛の輸入規則案をUSDAはOMBに付託

  ミチェルカナダ農業相は11月20日、カナダからの生体牛の輸入規則案が米国農務省(USDA)か
らホワイトハウスの行政管理予算局(OMB)に付託されたことを明らかにした。OMBでの検討は
通常最長で90日であり、規則案の見直し作業が終了し最終規則が公表されれば、公表から60日以降に
施行することが可能となるとしている。
 
  ベネマン米国農務長官は11月9日に行われた記者懇談会において、カナダからの生体牛の輸入規則
案の最終決定の時期について問われたのに対し、昨年の規則案の公表後米国内でBSEが発生し、リ
スクアセスメントの見直しが必要となったことや、本年4月19日に新たな規則を公表したことについ
て、米国牧場主・肉用牛生産者行動法律財団(R−ALF)から手続き上の不備について控訴された
などの手続きを遅れさせる要因があったとし、特にリスクアセスメントの法的な側面からの精査が必
要であることを強調するとともに、規則制定過程の途上にあることから内容については言及できない
が、規則案は100ページ以上におよぶ膨大なものであり、USDAとして速やかな問題解決のために
努力をしているとした。また、R−CALFとの合意により、45日ごとに裁判所にレポートを提出し
ているところであり、最も直近のレポートは11月4日に提出したものである。正確な見通しを述べる
ことは出来ないが、しばらく時間を要するであろうとし、法律家も交え非常に慎重な対応をしてきて
いることを言葉を選びつつ述べていた。



USDAはスクリーニング検査の結果BSE疑陽性とされた牛はBSE陰性と公表

  USDAは23日、アイオワ州にあるUSDAの国立獣医学研究所(NVSL)は同日、11月18日に
スクリーニング試験で疑陽性とされたサンプルは、2回の免疫組織化学検査(IHC)の結果、BS
E陰性であるとの確定診断を行ったことを公表した。

  今回の疑陽性例は動植物検査局(APHIS)が2回のスクリーニング検査の結果陽性であったも
ののみ疑陽性例が摘発されたことを公表するとの新しいプロトコルを本年8月に定めてから摘発され
た初めての疑陽性例であり、関係者の間ではIHCの結果と併せ、問題の牛がいつ(97年の飼料規制
(フィードバン)以前か以降なのか)、どこで生まれたのか(米国産なのかカナダ産なのか)に関心
が集まっていた。特にカナダの関係者からは今回の検査結果が陰性であったことにより生体牛の輸入
規則への影響が生じなかったことに安堵する声も聞かれた。
 
  USDAの強化されたサーベイランスによる総検査頭数は6月1日から11月24日現在で121,165頭と
なっており、USDAが仮に1千万頭に1頭の割合でBSE陽性牛が存在するとしても99%の信頼度
で摘発が可能として示した目安である26万8千頭の約3分の1に相当する検査が既に終了した状況に
ある。これまでに、3例のスクリーニング検査による疑陽性が報告されているが、いずれも国際獣疫
事務局(OIE)がゴールデンスタンダードとしているIHCによる確定診断結果は陰性となってい
る。




【ワシントン駐在員 犬飼 史郎 平成16年11月24日発】


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