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ウルグアイ、2006年の牛肉輸出も好調と見通し


メキシコ向け輸出解禁間近と期待

  ウルグアイ国立食肉院(INAC)は、メキシコ向け輸出が間もなく解禁されるとの期待に加え、アジア市場
への輸出促進活動などにより、ウルグアイ産牛肉の輸出をめぐる状況に明らかな変化が見え始めているとして、
2005年の7億6,539万ドル(887億9千万円:1ドル=116円)から2006年の輸出総額は10億ドル(1,160億円)を超
えるという明るい見通しを示している。

  ウルグアイからメキシコへの牛肉輸出については、2003年11月に調印、2004年7月に発効した経済補完協定
により、関税は発効時の10%から毎年1%ずつ引き下げられ、3年目から7%となることが定められている。
今年1月30日にウルグアイ産牛肉の輸入解禁に係る衛生的・法令的手続きについて合意した後、ウルグアイか
らは22施設のリストを提出し、メキシコ側の調査を終え、現在、承認を待っている状況にあると伝えられてい
る。

    

中国と技術協力協定の枠組みを締結

 一方、5月下旬に中国の上海市で開催された国際食品展(SIAL)に合わせ、INACは、官民合同で構成
された食肉関係の使節団を派遣した。中国は年10%の経済成長率を記録するなど、その発展は目覚しく、所得
向上とともに食肉の消費も伸びていることから、INACではウルグアイ産牛肉の中国における市場拡大に大
きな期待を寄せている。6月1日には、INACと中国農業科学院(CAAS)が技術協力協定の枠組みに合意
し、特に農産品販売の促進、家畜の改良技術および農業に対する投資を通じた2国間の関係強化を目指してい
る。現在、中国向けの食肉輸出量は年間6千トンで内臓がその大半を占めており、牛肉(冷蔵および冷凍)につ
いては、2005年はわずか26トンにとどまっている。



牛肉輸出量は過去最高を記録

  INACが公表した食肉貿易統計によると、2005年の牛肉輸出量(冷蔵、冷凍および加工肉、製品ベース)は、
過去最高を記録した前年の24万6,780トンから18.4%増加し、29万2,248トンとなった。また、輸出額は6億
2,360万ドル(723億4千万円)から22.7%増加し、7億6,539万ドル(887億9千万円)となった。この結果、ウル
グアイの世界の総輸出量に占める割合は2001年には3.1%だったが、2005年には6.6%と倍増している。

  主要な輸出先を見ると、米国が前年比29.4%増の21万310トンと全輸出量の7割を占めたほか、EUが同37.5
%増の2万5,524トンとなった。

 また、2006年1〜5月については、輸出量は前年同期比18.2%増の13万9,747トン、輸出額は同35.0%増の4
億304万ドル(467億5千万円)と2005年をさらに上回る水準で推移している。



国際的な衛生条件の承認も輸出拡大への一助

 なお、ウルグアイは2003年に国際獣疫事務局(OIE)より口蹄疫ワクチン接種清浄国のステータスを得、さ
らに今年5月下旬に開催されたOIEの総会において、オーストラリア、ニュージーランド、アルゼンチンと
ともにBSE清浄国としての承認を受けたことで、国際的にも衛生水準が保証され、輸出拡大への追い風にな
るものと期待されている。



◎ウルグアイ、日本向け加熱処理施設が認定される

 ウルグアイ農務省(MGAP)は6月5日、日本向け加熱処理牛肉加工施設5施設が日本の衛生当局から承認
されたことを明らかにした。関係者は、生鮮牛肉の輸出解禁に向けた第一歩と強調している。



【ブエノスアイレス駐在員 横打 友恵 平成18年6月21日発】 

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