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2006/07年度の冬穀物生産量、減少を予測(豪州)


例年水準を下回る降雨量が作付けに影響

 豪州農業資源経済局(ABARE)は6月20日、四半期ごとに発表している最新の穀物生産予測を発表
した。
 
 今回の報告によると、06/07年度の冬穀物の生産量は、降雨量が例年を大きく下回っていることが影響し、
各州で軒並み作付けの遅れがみられることから、作付面積、単収ともに前年度を下回ると予測している。一
方、夏穀物については、作物ごとに生産量が異なるものの、全体としては前年度を上回るとみている。

 ○冬穀物−主要生産州で軒並み減少

  2006/07年度の冬穀物生産量についてABAREでは、前年度比11%減の3,616万トンと予測している。
 この要因として、主要生産地を中心に例年に比べて降雨量が少ないことで各州の作付けが遅れていること、
 また、それに伴い作付面積も前年度比5.7%の減少が予測されることを挙げている。しかしながら、干ば
 つの影響が大きかった02/03年度を除く過去10年間の実績に照らし合わせると、平均を若干上回る生産量
 が見込まれる。

  冬穀物の生産予測を地域別にみると、すべての州で減少としているが、西オーストラリア(WA)州
 が前年比13%の減少、ニューサウスウェールズ(NSW)州で同14%の減少と、いずれも冬穀物の主要
 な生産州で大幅な減少としている。

  WA州では、今年3〜5月の降雨量が、穀物生産地域となる北・中部海岸地域で例年の半分程度、N
 SW州では、南部の一部地域を除き半分以下の水準となっている。このため、穀物生産農家では、作付
 面積を減らす傾向にあり、また、一部で乾燥状態での播種が行われたが、成長段階での十分な雨が期待
 できず、単位当たりの収穫高も減る見込みである。今後の気象状況によっては、さらなる影響も予測さ
 れる。

  

 ○夏穀物−ソルガムは前年度比で減少

  収穫時期を迎えている05/06年度の夏穀物については、全体の生産量は前年度を15%上回る454万トン
 増と予測している。

  作物別にみると、家畜の飼料として利用されるソルガムの生産量は、主産地のNSW州やクイーンズ
 ランド州で降雨量減少の影響を受けていることから、前年度比8%の減少を見込んでいる。また、同様
 な用途の綿実の生産量も同7%の減少とみている。なお、米については、育成条件が良かったことで同
 224%増と大幅な拡大としている。


 


◎2005/06年度のフォンテラ社の生乳集荷量、過去最高水準に到達(NZ)

 ニュージーランド(NZ)のフォンテラ社は6月6日、2005/06年度(2005年6月〜2006年5月)の集
乳量について、1,400万キロリットルを超える集乳、加工実績となったことを発表した。これは、乳固形
分換算にして前年度比4.3%増の12.1億キログラムとなる。集乳量増加の要因についてフォンテラ社は、
9〜10月の最盛期は、低温、多雨により乳量が落ち込んだものの、その後の気象条件の回復でこれを十分
に補うことが出来たことが大きいとしている。また、新たに94の酪農家が、フォンテラに供給を開始した
ことも集乳量の増加に寄与したとしている。フォンテラ社はNZの生乳生産量の9割以上を取り扱うとさ
れる巨大酪農協。



【シドニー駐在員 横田 徹 平成18年6月22日発】



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