牛肉需給の要約と最近の動向


◎牛肉

乳用種の子牛不足払いが発動見込み

 乳用種の肉用子牛価格は、2年夏場に一時持ち直したもののその後低下しており、
3年に入ってさらに低落し、自由化となった4月以降の乳用おす子牛価格は保証基準
価格(165,000円)を下回る水準で推移している。

 この結果、肉用子牛生産安定等特別措置法の不足払い制度で定める第1四半期の
「肉専用種以外の品種」(乳用種等)の平均売買価格が保証基準価格を下回ること
が確実とみられ、乳用種に対しては初めて肉用子牛の不足払いが行われる見込みで
ある。

牛肉自由化の影響が浸透

 牛肉の輸入自由化の影響は、自由化が決定された当初からある程度予想されてい
たものの、実際に自由化された4月以降、その影響は乳用種の枝肉卸売価格と子牛
価格に顕著に現われた。

・乳おす牛肉販売量の減少
 
 輸入牛肉は3月、4月の自由化セールにより大衆肉としての乳おす牛肉にとってか
わり、6月に入っても低価格設定により前年より売上を伸ばした。和牛肉も根強い
人気に支えられて前年並みの売上げを維持している。こうした中で、品質的に輸入
牛肉と競合する乳おす牛肉の売上は量販店等では減少した。
 
・需要減に生産増も加わって乳おす枝肉卸売価格が急速に低下

 乳おすの枝肉卸売価格の低下が目立ち始めたのは、2年度に入ってからである。

 東京市場の規格別の価格の動向をみてみると、乳おす「B−3」は1,200円台をか
ろうじてキープしていたものの、自由化後5月1,181円、6月1,125円(速報)と下げ
た。

 乳おす「B−2」は2年夏場に一時的に1,000円割れがあり、3年に入ってまた下げ
始め6月は803円(速報)となり、その下げ幅は「B−3」を上回っている。

・枝肉卸売価格の低落が肉用子牛価格に反映

 乳用子牛農家にとっては、子牛の不足払い法により再生産を保証されているが、
肥育農家にとっては、現在出荷している牛は子牛価格が20万円前後で推移していた
時期に仕入れたものであり、現在の枝肉卸売価格の水準では採算にのらないという
話がきかれる。


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