牛乳・乳製品需給の要約と最近の動向
◎牛乳・乳製品
ひっ迫続く乳製品需給
2年度前年並みであった生乳生産は、3年度に入って前年水準を下回って推移して
いる。一方では、飲用需要が引き続き好調に推移している。このような状況から、
乳製品向け処理量は、依然前年水準を下回って推移し、乳製品の需給は、ひっ迫が
続いている。
伸び悩む生乳生産
・ 2年度の生乳生産は、指定生乳生産者団体による計画生産において未達が生じ
たように伸び悩み、前年度比100.8%となった。
・ 3年度に入ってからは、わずかながら前年水準を下回って推移し、3年5月の生
乳生産量は、前年同月を0.3%下回った。
・ 6月は、一部地域に生産の回復がみられるものの、全体としては前年同月を下
回るものと見込まれる。
好調に推移する飲用牛乳の需要
・ 2年度の飲用牛乳の需要は、天候要因にも恵まれ、当初の予想に反し好調に推
移し、飲用牛乳等向け処理量は、前年度比102.7%、また、飲用牛乳生産量は、
前年度比103.2%となった。
・ 3年度に入ってからも、飲用牛乳の需要は引き続き好調に推移し、3年5月の飲
用牛乳等向け処理量は、前年同月を2.1%上回り、また、飲用牛乳生産量は、前
年同月を2.2%上回った。6月も同傾向が継続しているものと見込まれる。
・ 飲用牛乳の好調な消費は、消費者ニーズに対応した低・高脂肪牛乳等差別化商
品の伸びが大きいためとみられる。
需要期を控えさらにひっ迫が予想される乳製品需給
・ 2年度の主要乳製品の生産は、生乳生産が思うように伸びず、一方で飲用需要
が好調であったため、大幅減となった(バター前年度比92.8%、脱脂粉乳同96.5
%)。
一方、生産の跛行性から軟化が懸念された脱脂粉乳の需要は、乳飲料の伸びが
めざましく、大幅に増加した。一方、クリーム需要も消費者の本物指向、新商品
の開発等から大幅に増加した。
・ 3年度に入ってからも、主要乳製品の生産は、前年水準を下回って推移してお
り(3年5月バター前年同月比90.2%、脱脂粉乳同93.9%)、卸売価格も堅調に推
移している。今後、飲用の需要期を控え、乳製品需給はさらにひっ迫するとみら
れる。
・ このような状況から、事業団は、2年度のバター、脱脂粉乳の輸入・放出に引
き続き、3年度も、4月10日付け及び7月9日付けの輸入発表に基づき、輸入手当を
行うとともに、随時売り渡しを実施している。
元のページに戻る