牛肉


引き続き高水準の出回り量

 4年7月の推定出回り量(消費量)は、輸入量の増加に影響されて76,712トン(対
前年同月比109.2%)であった(図1)。特に輸入品の推定出回り量は、39,885トン
(対前年同月比111.9%)と引き続き高水準であった。

 7月末の推定期末在庫は、72,247トン(対前年同月比69.8%)、うち、輸入品在
庫は、60,473トン(対前年同月比67.4%)となっており、昨年度を通じ減少傾向を
続けた在庫も本年度に入り輸入量が多かったこともあり、反転し、引き続きゆるや
かな増加傾向にある(図2)。


堅調な生産量

 7月の生産量は、36,087トン(対前年同月比102.5%)であった(図3)。

 種類別のと畜頭数を見ると、和牛は、去勢和牛がやや増加、めす和牛がかなり増
如し、全体では、47.5千頭(対前年同月比105.7%)と前年に比べやや増加した。
一方、乳牛にあっては、乳おすは40.7千頭(対前年同月比102.8%)とわずかに増
加した。乳めすでみると、37.3千頭と、前月に比べ2.7千頭増加しているが対前年
同月比96.7%となったため、全体で78.4干頭(対前年同月比99.8%)となった。


増勢続く輸入牛肉

 7月の輸入量は、41,350トン(対前年同月比147.4%)と6月に引き続き前年同月
の輸入量を大幅に上回った(図4)。

 その内訳(くず肉・煮沸肉を除く。)は、チルド19,226トン、フローズン21,746
トンで、チルドの割合は、46.9%であり、先月に引き続き50%を切った。しかし、
対前年同月比でみると138.6%と大幅に増加している。

 事業団が38商社から聞き取った独自の調査によると、8月は7月と比較してチルド、
フローズンとも減少するものと見られ、全体の輸入量は、約3万8千トン前後と見込
まれる。


枝肉価格は、全般的に低水準

 7月の省令価格(東京市場、以下同じ。)は、景気後退感による消費低迷、輸入
牛肉の出回り量の多さなどから、1,025円/s(対前年同月比87.8%)と、依然と
して安定価格帯の下方で推移しており、8月の速報値でも1,052円/kgなっている
(図5)。

 和牛の価格は、高級物にまで消費低迷の影響があらわれ、去勢和牛の「A-5」で
対前年比97.1%の2,610円/sとなっている。さらに、「A-4」91.1%、「A-3」89.
0%と規格の低いものほど影響が大きくなっている。

 乳用種の価格は、7月は、乳おす「B-3」1,048円kg(対前年同月比95.7%)、「B
-2」771円/kg(対前年同月比95.9%)、乳めす「C-1」363円/kg(対前年同月比
104.3%)と低い水準で推移している。8月の速報値は乳おす「B-3」1,067円/s、
「B-2」787円/sとなっており、回復のきざしが見え始めた。

 輸入牛肉の価格(国内仲間相場)は、7月は、北米産チルドは、ショルダークロ
ット、フルテンダーロインで値を下げたものの全般的に保合、オセアニア産チルド
もテンダーロインで値を下げたものの全般的に保合で推移した。


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