この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。 |
北海道枝え幸さし町では、 石灰を塗布して牛舎を明るく、 働きやすい環境に しようとする取り組みが広がりを見せている。 今回、 宗谷南部地区農業改良センターがモデルとした酪農家の農場では、 サ ルモネラ症の予防を兼ねて牛舎内の石灰塗布を実施した。 作業手順は、 壁や天 井を清掃し、 塗布しない部分をマスキングした後、 コンプレッサとスプレーガ ンで塗布する。 モデルとなった牛舎内の照度は、 電灯を清掃した効果も加わっ て、 塗布前に比べ2〜3倍に改善された。 繋ぎ式牛舎は各種の作業場となるので、 照度の基準も一様でない。 米国の推 奨値 (ASAE アメリカ農業工学会) は、 搾乳作業では200ルクス、 乳房に 接する部分では500ルクス以上といわれている。 これに対し、 夕方搾乳時の牛 舎内は、 塗布前で200ルクスを下回るケースが多く、 今後の大きな課題である。 石灰塗布は、 白ペンキに比べて費用がかなり安く済むだけでなく防疫の面で の効果も期待できる。 枝幸町では4Hクラブ員全員10戸が率先して石灰塗布に 取り組んでおり、 環境改善の第一歩として期待されている。