この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。 |
毎日の餌作りや飼料給与は、 酪農家にとって欠かせないものである。 こ の仕事を外部に委託できれば、 酪農家はその労働から開放されるだけでな く、 生産規模の拡大も可能となる。 これを実現するために、 愛知県の知多 半島では飼料の共同配合組合が作られている。 現在、 東知多配合組合、 半 田市配合組合、 知多南部配合組合の3つの配合組合があり、 知多半島の3 分の1の酪農家が参加している。 これらの配合組合は、 各組合で配合所を持ち、 従業員を雇用して食品製 造粕類の購入・管理・配合を行っており、 配合された飼料は、 毎日各戸へ 配達されている。 飼料の種類は、 乳牛用の基礎飼料及び増まし飼がい飼料、 さらに乳肉複合の盛んな地域であることから、 組合によっては肥育用飼料 まで作っている。 飼料配合を共同で行うことには、 次のようなメリットがある。 @ 大量購入、 大量消費による飼料の品質向上及び飼料費の軽減 A 飼料技術の平準化による乳量及び乳質の向上 B 労働時間の短縮 これらのことは、 生産コストの削減や規模の拡大を可能にし、 現在の厳 しい酪農情勢に対応しうる経営体を作り出している。 また、 酪農ヘルパー にとっては、 各戸で同じ飼料が用意されることで、 農家毎に異なっていた 作業が単純化され、 ヘルパー制度のスムーズな運用にもつながり、 ゆとり 時間の創設にも一役買っている。 飼料の共同配合は、 知多半島の酪農の躍 進に大きく貢献しており、 益々の発展を期待させるものである。