この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。 |
(鳥取県 山崎 和夫)
今年、 水田営農活性化営農集団として農林水産省農蚕園芸局長賞を受賞し た大栄町酪農組合 (鳥取県東伯郡大栄町由ゆ良ら宿しゃく、 組合員20名) で は、 長年、 地域の水田の裏作を利用してイタリアンライグラスを栽培し、 サ イレージづくりに励んでいる。 同町の酪農は中国地方の霊峰大山の裾野に広がる広大な黒ボク (火山灰土) の丘陵地に展開している。 一方、 日本海に沿った砂丘地には畑地が開け、 ス イカ、 ナガイモ、 ブドウ、 葉タバコ等の特産物が生産されている。 これらの 集落では、 稲作農家は、 水田の裏作や転作田までは手が廻らず未利用であっ た。 そこで、 酪農組合はこの水田裏作等に着目し、 昭和42年以降水田地帯の2 つの農事組合と3年毎に覚書を締結して、 土地利用の調整を図り、 粗飼料生 産に努めている。 飼料作として、 水田裏作でイタリアン34ヘクタール、 転作畑でスーダング ラス6ヘクタールを利用している。 ほ場はすべて基盤整備ずみであるので大 型機械の共同利用、 共同作業で低コストを実現している。 牧草はほとんどラ ッピングして低水分サイレージとして調製利用している。 農事組合の役員は 「酪農組合の方に飼料作りをしてもらうおかげで土地が 肥沃になり、 みんなが喜んでいます。 地力増進のメリットがなければこんな にうまく話が進みません」 と話している。