この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。 |
耳慣れない言葉だが、 スウェーデン語で、 直訳すると筋肉引っ張り機、 具体 的には牛の枝肉の脱骨をする装置、 即ち脱骨機である。 このカーニ・リベレー ターが、 畜産振興事業団と県の助成を受けて、 くみあい食肉高崎工場 (宮崎県 高崎町) に設置された。 この装置を利用すれば、 腕力の要る大変な作業であった脱骨を、 枝肉を吊し たままの状態で、 機械の力で、 骨と肉を適度な力で双方から引っ張りながら、 大分割やトモバラの分離、 モモやウデ等の骨の除去に至るまで、 スピーディに、 安全にかつ衛生的にできる。 この結果、 1日当たりの処理能力が25頭から35頭に向上するだけでなく、 枝 肉の積み重ねによるドリップや変色がなくなったり、 作業員や作業台との接触 が少なくなるため、 異物の混入や細菌などの汚染が少なくなるなど、 品質面で も向上が見られることになった。 くみあい食肉高崎工場は、 平成2年に対米輸出工場に認定され、 毎月行われ ている厚生省の査察と年2回行われているアメリカ農務省の査察をクリアーし ており、 全国屈指のモデル的な施設である。 カーニ・リベレータの導入によっ て、 より近代的な工場に生まれ変わり、 宮崎牛の名声を高める一助になること が期待できる。