◎地域便り

 この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。
 

  カーニ・リベレーター (CARNI LIBERATOR)

 で牛枝肉の処理能力アップ            

                          (宮崎県 福留 憲人)

 


 耳慣れない言葉だが、 スウェーデン語で、 直訳すると筋肉引っ張り機、 具体
的には牛の枝肉の脱骨をする装置、 即ち脱骨機である。 このカーニ・リベレー
ターが、 畜産振興事業団と県の助成を受けて、 くみあい食肉高崎工場 (宮崎県
高崎町) に設置された。 

 この装置を利用すれば、 腕力の要る大変な作業であった脱骨を、 枝肉を吊し
たままの状態で、 機械の力で、 骨と肉を適度な力で双方から引っ張りながら、 
大分割やトモバラの分離、 モモやウデ等の骨の除去に至るまで、 スピーディに、 
安全にかつ衛生的にできる。 

 この結果、 1日当たりの処理能力が25頭から35頭に向上するだけでなく、 枝
肉の積み重ねによるドリップや変色がなくなったり、 作業員や作業台との接触
が少なくなるため、 異物の混入や細菌などの汚染が少なくなるなど、 品質面で
も向上が見られることになった。 

 くみあい食肉高崎工場は、 平成2年に対米輸出工場に認定され、 毎月行われ
ている厚生省の査察と年2回行われているアメリカ農務省の査察をクリアーし
ており、 全国屈指のモデル的な施設である。 カーニ・リベレータの導入によっ
て、 より近代的な工場に生まれ変わり、 宮崎牛の名声を高める一助になること
が期待できる。

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