減少傾向に転じた生産量 5年12月の国内生産量は、9万1千622トンと前年をわずかに下回った(▲2.3 %)。 国内生産量は、2年度以降、子取り用雌豚頭数の減少等により減少傾向で推移 してきたが、5年(1〜12月)は100万3千221トンとほぼ前年並みであった。こ れは冷夏で豚の増体が良好だったこと、大規模層を中心に飼養規模の拡大が進ん だことや一部にみられた母豚の出荷などが影響したようだ。しかし、季節調整済 み値でみると、5年に入って増加傾向で推移していたが、秋以降、減少傾向に転 じている(図1)。 なお、農林水産省畜産局によると、6年1月の肉豚出荷頭数は158万6千頭(2 %)、2月は152万6千頭(▲4%)と見込んでいる。 在庫量は国産品を中心に増える 12月の推定期末在庫は、8万3千240トンと前年をかなり上回っている(11.7 %)。国産品、輸入品別に季節調整済み値でみると、国産品は在庫量全体に占め る割合が2〜3割と低いものの、春以降、増加傾向にある(図3)。これは、国 産品と競合するチルドの輸入量が高水準であること、国内生産量が順調であった こと、10月から調整保管が実施されていることなどが影響しているようだ。 1月の卸売価格は400〜420円ボックス圏で推移 12月の枝肉卸売価格(東京市場、省令)は、年末需要から11月に比べ23円/kg 値を上げ、432円(▲2.0%)となった。6年1月(速報値)は、年始めに在庫補 充から一時高騰することがあったものの、12月より17円/kg値を下げ、415円(0. 7%)となった(図3)。 なお、1月末までの調整保管の実施頭数は、全国17市場で5万4千頭に達して いる。 今月のトピックス
国産品にシフトする加工品仕向量 ハム、ソーセージなど豚肉の加工品仕向量を輸入品、国産品別に季節調整済み値でみると、5年に入り輸入品が減少する一方、国産品が増加傾向にある(図4)。加工品仕向量は、平成3年以降、輸入品が国産品を上回っているが、国内相場が安いこと、国産品の在庫量が多いことなどから、国産品にシフトしているようだ。 |
元のページに戻る