牛肉・肉用子牛


〔牛  肉〕

減少傾向にある推定期末在庫

 5年4〜11月累計の推定出回り量(消費量)は、同期間の国内生産量が前年並
みであったものの輸入量が高水準で推移してきたため、全体で62万8千373トン
と前年同期をかなり上回った(9.0%)。

 推定期末在庫は、近時、減少傾向にあり、12月末では8万1千282トン(19.0
%、図1)と依然高水準にあるものの前月を8千587トン下回った。特に、輸入
品在庫は5年3月以降増勢を続け8万トンを超えた時期もあったが、11月以降減
少傾向にあり、12月末で7万トン弱となっている。


牛肉生産量は、ほぼ前年並み

 12月の牛肉生産量は、4万2千901トンと前年をわずかに下回った(▲1.7%、
図2)。4〜12月の累計では31万8千700トンと前年並みとなっている。

 12月のと畜頭数を種類別で見ると、去勢和牛、めす和牛とも増加し、和牛計で
は7万1千600頭と前年をやや上回った(4.9%)。一方、乳牛は、乳めすがわず
かに減少し、更に乳用肥育おす牛の減少が著しかったことから計7万8千600頭
(▲5.4%)と7ヶ月連続の前年割れとなった。その結果、成牛全体で15万3千
300頭と前年を0.7%下回った。


依然高水準の輸入量

 4〜11月累計の輸入量は、39万955トンと前年同期を大幅に上回っている(24.
2%)。また、国別輸入量では、アメリカ産が43.3%、オーストラリア産が52.7
%のシェアを占めている(図3)。

 事業団が36商社から聞き取った独自の調査によると、1月の輸入見込みは、冷
蔵品2万3千トン、冷凍品1万5千トン、合計約3万8千トン前後と見込まれ、
また、2月については、1月よりも冷蔵品は増加し、冷凍品はほぼ同程度と見込
まれる。


省令価格(12月)は安定上位価格を超える

 12月の省令価格(東京市場、以下同じ)は、1,188円/kgと平成3年6月以来
29ヶ月ぶりに安定上位価格を超えた。1月の価格(速報値、瑕疵のある枝肉を除
く)は、1,088円/kgと前月より100円価格を下げている(図4)。他の和牛、乳
牛の主要なクラスの価格は、12月については、年末に向けての量販店の販売強化
等により荷動きが活発化し、和去勢「A−5」で2,700円台、「A−4」で2,200
円弱に回復したものの、1月にあっては年末年始の盛り上がりも終息し、末端需
要の不振の影響から価格は軟調となっている。

 一方、12から1月上期にかけての輸入牛肉価格(国内仲間相場)は、総体的な
荷余り感が依然続いており、オセアニア産冷蔵品フルセット(グラス)が、800
円台後半/kgと上げ基調にあるものの、主要部位の価格は前年割れとなっている。



〔肉用子牛〕

黒毛和種は33万円台(1月速報)

 12月の黒毛和種の子牛取引頭数は、2万9千頭で前月をかなり下回り、取引価
格は雌雄平均で前月を1千円/頭下回る33万円/頭となった。和牛枝肉価格が比
較的堅調なことから、肥育農家側での和子牛の導入意欲がもどってきている模様
である。1月の速報値(2月10日現在。以下この項で同じ)でも、雌27万8千円
/頭、雄で37万4千円/頭、平均33万3千円/頭と価格は上昇している(図5)。


ヌレ子は保合い(1月速報)

 12月の乳用種の子牛取引頭数は、3千2百頭で前月を上回った。取引価格は雌
雄とも軟調であったことから雌雄平均8万2千円/頭と前月より値を下げた。1
月の速報値では、8万4千円/頭になっている。

 12月の乳用種のヌレ子の価格は、4万6千円/頭と価格を下げたが、1月の価
格(速報値)は、4万7千円/頭とほぼ保合となっている。

 なお、5年度第3四半期の指定肉用子牛の平均売買価格が告示されたが、「褐
毛和種」「その他の肉専用種」及び「乳用種」にあっては、その平均売買価格が
保証基準価格を下回り生産者補給金が交付されることとなった。


今月のトピックス
黒毛和種、乳用種とも保合い

 5年度第3四半期までの四半期別の平均売買子牛価格動向を整理すると、@「黒毛和種」については、保証価格を大幅に上回る水準で推移してきたものが5年度第1四半期から1頭当たり31万円台で推移している(図6)、A「褐毛和種」については緩やかな上昇傾向にあるものの保証価格をかなり下回っているB「その他の肉専用種」については第2四半期でやや上昇したものの引き続き保証価格を大幅に下回っている(図7)、C「乳用種」についても低水準で推移し引き続き保証価格を下回っている(図8)。



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