鶏卵


前年をかなり下回るひなえ付け羽数

 農林水産省統計情報部によると、5年12月の札幌、東京、名古屋、大阪、福岡
における入荷量は、3万1千トンと前年並みとなった。

 また、統計情報部による12月の採卵用ひなえ付け羽数は、対前年同月をかなり
下回った(▲6.3%、図1)。1、2、3月の採卵用ひな出荷羽数の見通しは、
それぞれ対前年比98、91、85%と見込まれている。

 なお、11月の家計消費量(総務庁)は、前年並みとなった。


大幅に下回った卸売価格

 12月の卸売価格(東京平均)は、11月より18円値を上げ176円/kgとなったが、
前年同月比でみると大幅に下回っている(▲12.4%、図2)。

 低水準で推移していた卸売価格は、年明けの初市で110円/kgという史上最安
値を記録したものの、年末にかけて行われた強制換羽等による生産量調整の効果
及び低価格によって業務・加工需要が活発となったことから、1月14日以降、小
刻みに値を上げ、2月4日には193円/kg(全農東京M規格平均価格、以下同じ)
まで上昇した。2月10日現在も同水準で推移している。なお、1月の平均価格は
140円/kg(速報値)となっている(▲6.7%)。

 1月も標準取引価格が補てん基準価格(173円/kg)を下回り、補てん単価は
36円/kgとなったが財源不足のため、1月分については(社)全国鶏卵価格安定基
金は6円/kg、(社)全日本卵価安定基金は3円/kgを補てんすることとなり、ま
た2月以降の中止を決めた。補てんはこれまでで最長の11カ月連続となった(表)。


今月のトピックス
鶏卵業界も期待? たまごスープヒット

 たまごスープの売上が伸びている。フリーズドライ(凍結乾燥)の技術を使った固形スープで、お湯を注ぐだけで簡単に食べられ、また、消費者も彩りがよく、和食にも洋食にも合うという点から消費者に好評を得ている。A社では、自社の特殊卵を利用した「たまごスープ」を100円/個で販売しているが、売れ行きも好調という。

 鶏卵価格が長期低迷を続けるなか、新たなヒット商品として期待したい。



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