東海地域特産畜産物フェア運営協議会 会長 丹羽 有功
１月17日～21日にNHK名古屋放送センタービルで開催 東海地域の岐阜県、愛知県及び三重県の３県では、各県で生産されている特産の 牛乳・乳製品、食肉・食肉加工品、卵、蜂蜜等の消費拡大と畜産物に関する知識の 普及・啓もうを目的として、平成６年１月17日(月)から21日(金)までの５日間、 「東海地域特産畜産物フェア」をNHK名古屋放送センタービル１階で開催しました。 今回のフェアは、百貨店を会場とするフェアとは異なり、フェア会場の来場者に 加え、テレビメディアを通じて幅広い消費者の方々に東海地域で生産されている特 産畜産物を知っていただくことを重点に企画し、特産畜産物の展示即売、テレビの 放映、イベント、試食・試飲、アンケート調査、知識普及の資料の展示、パンフレ ット・リーフレットの配布等を行いましたので、その概要を紹介します。 NHK総合テレビでの生放送 NHK総合テレビは、毎日12時20分から43分までの23分間、各地の放送局が番組を 制作し、放送していますが、NHK名古屋は、同センタービル１階のスタジオから、 一般の方も参加した「どんどん ふるさと プラザ」という番組で、東海地域のふ るさと自慢を紹介しています。今回はこれを利用し、東海地域特産畜産物フェアを 「とうかい畜産物語」と題し、５日間を「牛乳の日」、「牛肉の日」、「豚肉の日」、 「鶏肉の日」、「蜂蜜と卵の日」に分けて、生放送により東海地域の方に見ていた だきました。 番組は23分間ですが、できるだけ消費者の視点に立ち、番組としての娯楽性や視 聴者の興味も盛り込みながら、畜産物についての理解を得るために、 ① 各畜産物のおもしろ文化史 ② 東海地域で生産される畜産物と加工品の種類 ③ 東海地域の銘柄牛・銘柄豚・地鶏等の紹介 ④ 牛・豚・鶏肉の部位の特徴と美味しく食べる方法 ⑤ 家庭で出来る手軽なアイデア料理 ⑥ 牛乳、食肉、卵、蜂蜜についての豆知識 という内容を柱としました。生産や処理加工の行程については、VTRで紹介すると ともに、食文化研究家永山久夫氏に出演を願い、蘇や酪、食肉等の古代の料理を再 現したり、畜産物の歴史も併せて紹介しました。 また、「牛乳の日」は、牛乳と骨粗しょう症の話や牛乳のカゼインからできるグ ッズ（ボタン等）を、「牛肉の日」は、良い牛づくりや肉牛にちなんだ玩具を、 「豚肉の日」は、ミニ豚の出演とウインナーづくりの実演を、「鶏肉の日」は、奥 美濃古地鳥、名古屋コーチン、伊勢赤どりを、「蜂蜜と卵の日」は、採蜜とヒヨコ の雌雄鑑別の実演等を紹介しました。 この他、お昼の放送の内容をベースにして、クイズ等を行いながら、来場者と一 体となった１時間のイベントを実施するとともに、スタジオの周囲で各県毎にブー スを作り、各県の自慢の特産畜産物の展示・即売を行いました。試食・試飲は、各 日の放送・イベントに合わせて行い、来場者に好評でした。 予想をこえた来場者及び視聴者の反響 東海地域特産畜産物フェア「とうかい畜産物語」は、NHK総合テレビで昼のゴー ルデンタイムに生放送されたことから視聴者の反響は大きなものがありました。特 に初日は、NHK総合テレビの昼のニュースでこのフェアが紹介され、引き続き番組 が生放送されたことから、願ってもないスタートとなりました。また、初日の生放 送終了後駆け込むようにして中日・読売の両新聞社が取材に訪れ、それぞれ翌日の 朝刊で報道されました。 フェアの告知方法としては、地下鉄中吊りの広告等を実施しましたが、会場に来 られた消費者の方々の声を聞くと、「テレビを見てやって来た」という人が圧倒的 に多い結果となりました。フェア会場の来場者は、５日間で約３万人ですが、生放 送の視聴率はNHK調べで約10％（１日当たり）であったことから、名古屋市内では 約22万人、東海３県（岐阜県、愛知県、三重県）では約130万人以上がテレビを見 たことになります。このことからも、大多数の消費者の方に、東海地域の特産畜産 物をPRしたことになり、当初の予想以上の効果があったと思っています。 また、今回の特産畜産物フェアは、全国的に牛肉消費拡大特別緊急促進事業でJ ビーフ、豚肉等適正表示販売特別緊急推進事業、国産鶏肉消費拡大特別緊急促進事 業で消費拡大等のキャンペーンが実施されている時期とも重なり、タイムリーな開 催であったと思っています。 さらに、今回のフェアを実施したことによって東海３県の結束力が一層高まり、 各県及び出店者からこのフェアを年１度の行事として育てて行きたいとの意気込み が関係者の間に芽生えたことを付け加えさせていただきます。