この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。 |
(北海道 須田孝雄)
乳用牛の改良は血統・能力・体型を指標とし、交配と選抜によって進められて いる。道と国が実施していた後代検定の制度は昭和59年度から全国統一のシステ ム(乳用牛群総合改良推進事業)になり、種雄牛の遺伝評価も平成5年度から 「ETA」に一本化された。 現在、種雄牛遺伝評価値は年2回公表されているが、その評価ランキングは産 乳形質による「経済効果」で、体型形質は含まれていない。 実際に利用する酪農家側からすると、収益性の高い乳牛は生産効率の高いこと と同時にできるだけ長く牛群内にとどまって活躍できる牛である。アメリカやカ ナダで広く利用されているような体型形質も加味した「総合指数」が、酪農家か ら強く要望されていた。全道、全国段階での公表にはまだ時間を要するため、十 勝独自で検討・試算をすることになった。 検討会には、十勝乳検連(検定成績検討委員会)が中心になって、十勝乳牛改 良同志会、北海道家畜人工授精師協会十勝支部、人工授精事業体のほか研究機関 も参加した。検討の結果、このほど次の試算方法による総合指数試案を発表した。 @ 採用形質と重み付け 乳脂肪量 1 乳蛋白質量 3 格付け得点 0.5 乳 器 1 蹄の角度 0.5 A 計算方法 (注)ETAF、ETAP、ETAT、ETAUは各採用形質のETAである。 今回のSTRはあくまでも第1段階で、今後も酪農家が種雄牛評価する上で必要 とされる情報提供を更に検討し、一刻も早く「遺伝子安定輸入国・日本」から脱 却したいと考えている。 ※ ETA(Estimated Transmitting Ability:推定伝達能力) STR(Sire Total Ranking) SD (Standard deviation:標準偏差)