(北海道 高木正季)
ロールベールの重量は、1個1トン近いものがあり、容易に計量できないのが 悩みの種である。そこで宗谷の普及員ロールベール調査班は簡易に推定する方法 を試みた。 宗谷管内では、乾草のほとんどがロールベーラで調製され、牧草サイレージも およそ半分をロールベールにしている。しかし、個数は正確であっても、調製量 となると的確につかめないのが実情である。 このほど、特殊なはかり(バー型スケール)を用いロールベール重量に関する 実態調査を行った。調査点数は約80点(3市町、農家数40戸)で、ロールベーラ の機種や乾草およびサイレージを特定しなかった。 調査の結果、勘による重さと測定重量にかなり大きな差がみられた。その差は 最大で2倍近くに達し、勘に頼ることが不確かであることを再認識した。 調査データをもとに、ロールの寸法から重さを推定できれば、現場では利用し やすいと考えた。結果的に、乾草、サイレージともロールベールの容積とロール 1個の乾物重量に高い相関のあることがわかった。 今回の調査で意外だったのは、芯(しん)巻きと外巻きといったロールベーラ の型式や機種によって、1m3当たり乾物重量にあまり差がみられなかったことだ。 また、1番草のロールベールは、容積は大きいけれど1m3当たり乾物重量は2〜 3番草より低かった。 今回試みたものは、ロールベールの容積(m3)を代入するとロール1個の乾物 重量が推定できる。この方法は、勘に勝る「はかりの代役」として、用途に合わ せて活用したいものである。 ロールベールの重量を推定する回帰式 y=111x+30.4 (r=0.86) 1番乾草 y=186x−44.4 (r=0.93) 2番乾草 y=178x−40.5 (r=0.82) 1番サイレージ y=150x+29.0 (r=0.92) 2番サイレージ y=乾物重量(kg) x=ロールベール容積(m3) (1993、宗谷普及員ロールベール調査班試案)