◎地域便り


子宮頸管粘液結晶像による受胚牛選定

(岩手県 高橋賢聖)


 平成6年1月25日開催の岩手県家畜保健衛生業績発表会において、子宮頸管粘
液結晶像(以下「CDS」という。)により受胎性の高い受胚牛を現場で簡単に選
定する方法が遠野家畜保健衛生所の千葉健市獣医師から紹介され、審査員の高い
評価を受けた。

 その手法と成績要旨は、次のとおりである。 

 まず、受胚牛に凍結卵を移植する直前に、同牛の子宮頸管粘液を綿棒を用いて
採り、プレパラートに塗抹乾燥のうえ、50倍で鏡検(ペンシル型携帯用顕微鏡で
十分)する。

 非定型的結晶像が全く見られないものを(−)型、それ以外のシダ状の結晶が
みられるものを(+)型とすると、CDS(−)型の受胚牛33頭の受胎率は67%、
(+)型12頭の受胎率は33%の成績であった。このことから発情後6〜8日にC
DS(−)型の牛は受胎性が高く、CDS検査は受胚牛の簡便な選定法として極めて
有効であることが判明した。


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