(岩手県 高橋賢聖)
平成6年1月25日開催の岩手県家畜保健衛生業績発表会において、子宮頸管粘 液結晶像(以下「CDS」という。)により受胎性の高い受胚牛を現場で簡単に選 定する方法が遠野家畜保健衛生所の千葉健市獣医師から紹介され、審査員の高い 評価を受けた。 その手法と成績要旨は、次のとおりである。 まず、受胚牛に凍結卵を移植する直前に、同牛の子宮頸管粘液を綿棒を用いて 採り、プレパラートに塗抹乾燥のうえ、50倍で鏡検(ペンシル型携帯用顕微鏡で 十分)する。 非定型的結晶像が全く見られないものを(−)型、それ以外のシダ状の結晶が みられるものを(+)型とすると、CDS(−)型の受胚牛33頭の受胎率は67%、 (+)型12頭の受胎率は33%の成績であった。このことから発情後6〜8日にC DS(−)型の牛は受胎性が高く、CDS検査は受胚牛の簡便な選定法として極めて 有効であることが判明した。