豚肉


増加傾向で推移した生産量も頭打ち

 5年11月の国内生産量は、9万2千545トンと前年をやや上回った(4.8%)。

 4〜11月の累計では、66万5千459トン(1%)と近年になくわずかながら前年
を上回っている。しかしながら、生産量を季節調整済み値でみると、5年に入って
増加傾向で推移していたものの、ここにきて頭打ちとなっている(図1)。農林水
産省畜産局によると、12月が172万5千頭(▲3%)、6年1月も151万7千頭(▲
2%)と前年を下回ると見込んでいる。


高位安定を続けるチルドの輸入量

 11月の輸入量は、ほぼ前年並みの4万5千63トン(1.1%)であった。

 4〜11月の累計では、前年をやや下回る31万5千34トン(▲3.7%)である。し
かし、味覚、鮮度の面から国産豚肉と競合するといわれるチルドは8万5千940ト
ン(7.3%)と前年をかなり上回っている(図2)。チルド輸入量を国別にみると、
台湾5万2千866トン(全チルドの61.5%)、米国3万617トン(同35.6%)、カナ
ダ1千301トン(同1.5%)となっている。特に、米国産は単品での大量集荷が可能
で、安価で脂肪が少ないことなどから、数量で7千524トン、シェアで6.8ポイント
と前年より大幅に増加している。


年平均で前年を大幅に下回った卸売価格

 11月の枝肉卸売価格(東京市場、省令)は、10月とほぼ同じ409円(▲1.7%)と
なった。12月(速報値)は年末需要から11月より23円/kg値を上げ、432円(▲2.0
%)となった(図3)。

 また、5年(1〜12月)平均では、国内供給量の増、輸入チルドの増などから、
前年を65円下回る456円/kg(▲12.5%)となった。

 なお、12月末までの調整保管の実施頭数は全国17市場で4万4千頭に達している。


今月のトピックス
善戦する豚肉の消費

 豚肉と牛肉の消費量を季節調整済み値(TC値)でみると、牛肉は量販店による輸入牛肉の販促等により一貫して増加傾向にある一方、豚肉は牛肉にシェアを奪われているといわれているもののほぼ横這いと善戦している(図4)。理由としては、豚肉は牛肉とあまり競合しない加工仕向割合が全消費量の3割を占める上、4割を占める家計消費においても牛肉に比べて料理方法など汎用性が高いことから、一般に考えられているほど牛肉の影響が少ないのではないかと考えられる。



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