〔牛 肉〕 推定期末在庫は前月を割る 5年11月の推定出回り量(消費量、部分肉ベース)は、引き続く高水準の輸入品 出回り量から、全体で8万5千378トンと前年をかなり上回った(12.2%、図1)。 推定期末在庫は、7月以降その伸びに鈍化の傾向が見受けられ、11月末では8万 9千869トン(18.0%、図2)と前月を4千552トン下回った。しかしながら前年同 月に比べれば高水準の在庫であり、輸入品がその大勢(87.5%)を占めている。 牛肉生産量は、ほぼ前年並みが続く 11月の牛肉生産量は、3万9千346トンと前年並みとなった(0.9%、図3)。 と畜頭数を種類別で見ると、去勢和牛、めす和牛ともかなり増加し、和牛計では 5万9千300頭と前年をかなり上回った(11.0%)。一方、乳牛では、乳めすがわ ずかに増加したものの、乳用肥育おす牛の減少が著しかったことから計8万200頭 と前年をわずかに下回った(▲2.1%)。その結果、成牛全体で14万2千400頭と前 年を2.8%上回った。 依然高水準の輸入量 11月の輸入量は、このところ過剰気味で在庫が推移していた冷凍品が前年をかな り下回ったものの、冷蔵品の伸びが大きく総計で4万1千484トンと増勢は止んで いない(17.5%、図4及び図5)。4〜11月の累計でも39万955トン(24.2%)と なっている。 事業団が36商社から聞き取った独自の調査によると、12月の輸入見込みは、冷蔵 品2万6千トン、冷凍品1万6千トン、合計約4万2千トン前後と11月を若干上回 ると見込まれ、また、1月については、12月よりも下回るものと見込まれる。 省令価格は堅調 11月の省令価格(東京市場、以下同じ)は、1,097円/kgと前年をやや上回り (4.3%、図6)、12月の価格(速報値、瑕疵のある枝肉を除く)は、和牛の取引 頭数、価格とも伸びが高く、交雑種も堅調であったことから、1,207円/kgと安定 上位価格を超えた他の和牛、乳牛の主要なクラスの価格は、11月については、鍋物 需要がそろそろ本格化した時期であり、また例年より早めのお歳暮手当等から、下 旬以降に取引が活発化し、和牛を中心に価格を戻した。12月にあっても、年末に向 けての量販店の販売強化等により荷動きが活発化し、和牛勢「A−4} で2,200円 台、乳去勢「B−4」で1,400円台に回復している。 一方、11月から12月上期にかけての輸入牛肉価格(国内仲間相場)は、総体的な 荷余り感が依然続いており、主要部位の価格は前年割れとなっている。 〔肉用子牛〕 黒毛和種はやや横ばい 11月の黒毛和種の子牛取引頭数は、3万5千頭で前月をかなり下回り、取引価格 は雌雄平均で前月を1千円上回る33万1千円/頭となった。和牛枝肉価格が比較的 堅調なことから、肥育農家側での和子牛の導入意欲がやや強くなっている模様であ る。12月の速報値(12月20日現在。以下この項で同じ)では、雌28万円/頭、雄36 万8千円/頭、平均33万円/頭となっている(図7)。 ヌレ子は軟調 11月の乳用種の子牛取引頭数は、2千600頭で前月を下回った。取引価格は雌は 価格を上げたものの雄が軟調に推移したことから雌雄平均8万4千円/頭と前月よ り値を下げた。12月の速報値では、9万円/頭になっている。11月の乳用種のヌレ 子の価格は5万5千円/頭とほぼ前月並みであったが、12月の速報値では5万円/ 頭と値を下げている(図8)。 今月のトピックス
霜降りから赤身肉嗜好へ (財)日本食肉消費総合センターがまとめた「季節別食肉消費動向調査−第29回消費者調査」によれば、消費者の牛肉に対しての“赤身肉”嗜好の割合が、42.3%となり、今回始めて“霜降り肉”嗜好の割合40.1%を上回った。主婦の年齢をみると、年配層ほどその傾向が強くなっており、赤身を好むのは「価格」よりも「健康を考えて」が理由のトップになっている。健康志向が日本人の根強いサシ嗜好を越えた形となった。 (単位:世帯、%)
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