鶏卵


ひなえ付け羽数は前年をやや上回る

 農林水産省統計情報部によると、5年11月の札幌、東京、名古屋、大阪、福岡に
おける入荷量は、3万4千トンと前年並みとなった。

 また、統計情報部による11月の採卵用ひなえ付け羽数は、対前年同月をやや上回
った(4.2%、図1)。12、1、2月の採卵用ひな出荷羽数の見通しは、それぞれ
対前年比91、94、86%と見込まれている。

 なお、10月の家計消費量(総務庁)は、前年をわずかに下回った(▲2.0%)。


前年をかなり上回る輸入量

 輸入量は国内生産量に比べわずかであるが、11月は前年同月に比べかなり増加し
た(4,130トン、19.7%、図2)。


大幅に下回った卸売価格

 11月の卸売価格(東京平均)は、10月より19円値を上げ158円/kgとなったが、
前年同月比でみると大幅に下回っている(▲17.3%、図3)。

 低水準で推移していた卸売価格は、年末にかけての需要期に入り12月22日には19
5円/kg(全農東京M規格平均価格、以下同じ)まで上昇した。しかし、年明けの
初市では110円/kgという史上最安値を記録し、1月10日現在も同水準で推移して
いる。なお、12月は171円/kg(速報値)となっている(▲14.9%)。

 12月も標準取引価格が補てん基準価格(173円/kg)を下回ったため、(社)全国
鶏卵価格安定基金と(社)全日本卵価安定基金による補てんが行われることとなった
(補てん価格は8円)。これで補てんは3月から10カ月連続となった。


今月のトピックス
価格補てん中止へ

 基金による補てんが1月中に打ち切られる見込みとなった。これは卵価の長期低迷に伴い財源不足となったことによるもので(5年度積立金は約133億円)、打切りは、昭和53年度以来、15年ぶりのことになる。

 今後、需要の大幅な増加が期待できないことから、生産者による減産への取り組みが必要となっている。



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