(群馬県 宮川 均)
家畜の飼養管理をしているため、休みのとりにくい畜産農家を支援しようと、県 と農業関係団体により、平成5年12月16日「群馬県畜産ヘルパー協会」の設立総会 が開かれた。 ヘルパー制度は、酪農分野が草分けで、わが県は17年前から農家同士が助け合う 形で一部の地域で行われ、国の指導のもと平成3年度から全国的に酪農ヘルパー事 業が開始されたが、養豚や肉用牛経営に対してのヘルパー制度はないのが現状であ った。 このため、県内の畜産農家や畜産関係団体等から「休日のとれる畜産経営」をと、 畜産ヘルパー制度を求める声が強まってきた。 そこで、農協、関係団体、県等の協力のもと、平成5〜6年度に4億円を積み立 てて畜産活性化基金を設け、この運用益でヘルパーを希望する農家に対して助成を 目的とする「畜産ヘルパー協会」が全国に先がけ始動されたものである。 この協会では、モデルケースとして本年度中に県内5箇所の利用組合を組織し、 平成6年度からヘルパーの派遣を開始する計画である。 ガットウルグアイラウンド農業交渉の合意による、新たな農畜産物貿易の国際的 な枠組等、畜産を取り巻く情勢は日に日に厳しさを増しているが、この制度の有効 な活用により、畜産経営の魅力をアップし、後継者育成を図り、畜産農家のやる気 を促すとともに畜産農家の健全な発展を期待するものである。