◎地域便り

 この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。
 

  21世紀を目指す畜産支援施設

                                                          (愛媛県 小西 和孝)

 


   愛媛県の西南部に位置する畜産の町、 東宇和郡野村町に、 牧歌的な装いの
 「野村町畜産総合振興センター」 が、 平成6年10月に完成した。 事業主体は
 野村町で、 畜産活性化総合対策事業とアグリトピア構想推進事業により設置
 され、 総面積15, 543u、 総事業費3億4千万円余である。 畜産指導センタ
 ー、 飼料混合施設、 家畜集出荷施設、 コンテナ粗飼料ターミナル、 畜産ふれ
 あい広場等が一か所に集まり、 まさにセンターの名にふさわしい施設である。 
 
   畜産指導センターには、 町、 農協、 農業改良普及所、 県酪連出張所、 農業
 共済組合などの畜産関係指導機関が一同に会しており、 農家の要望に対し即
 座に対応できる利便性を備えている。 

  飼料混合施設は、 酪農6名、 肉牛15名、 養豚4名の農家で組織した組合で、 
 購入飼料の低コスト化と高品質畜産物の生産を目指し、 共同作業による効率
 的な飼料製造を行う。 3年後の年間取り扱い量、 4, 200トンを目標としてい
 るが、 希望はすでにそれを上回っている。 
 
   家畜集出荷施設は、 家畜の共同集出荷基地として安定的で安全な集出荷体
 制を図るもので、 ほかに家畜の管理技術研修場としても利用でき、 臨時家畜
 市場の開設もできる。 
 
   またコンテナ粗飼料ターミナルでは、 荷受作業、 配送業務の共同化により
 購入粗飼料の品質保全とコスト低減を図ることとしている。 
 
   家畜のふれあい広場では、 家畜の共進会はもとより、 生産者と消費者のふ
 れあいによって信頼関係を保ち、 自信ある畜産物のブランド化を図るべく各
 種イベントの開催を計画している。 

  これらの施設は、 うまく噛み合って進行しており、 野村町の畜産のメイン
 センターとして畜産の経営安定と消費者からのニーズに応えられる施設がで
 きたと、 野村町はもとより県下全域の関係者から称賛されている。  

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